県政今の動き(ニュース)平成19年2月21日(水)第11925号

認知症対応型デイサービス

能登川乙女浜に『ちゃがゆの郷』


 住み慣れた地域で暮らしたい―の声に応えた地域密着型、認知症対応型通所介護施設『ちゃがゆの郷』がこのほど、東近江市能登川地区の乙女浜町に開所した。
 ちゃがゆの郷は、介護や支援を必要とする人々の「尊厳の保持」を理念に、可能な限り住み慣れた自宅や地域で暮らし続けられるよう、柔軟な体制で見守る地域密着型の介護サービスで、東近江市社会福祉協議会能登川支所が旧能登川町社協時代から準備、着手してきた同地区西側の拠点施設。集落内の民家を改修し、落ち着いた和の空間が心を癒す。
 なお、同地区東側には、宿泊も可能な認知症専用単独型通所介護施設「かじやの里の新兵衛さん」が営まれ、体験したことを思い出す「回想法」や「注意分割機能法」など、同支所と能登川博物館合同の活性療法が行われている。
 施設名になっている「ちゃがゆ」は、水害に見舞われた江戸末期から明治時代、周辺住民らから振る舞われた茶粥が浸透し、今でも宴会や寄り合いの締めをくくる身近な食べ物になっており、“ホッと安心できる場所”への思いから、心の温かみ・ふれ合いを示す名称として名付けられた。総事業費は約三千万円。
 サービス内容は、入浴や食事、レクリエーション(料理・手芸・野菜づくりなど)が出来る通いのメニューで、ゆったり過ごしてもらいたいと、一日の利用定員は十人程度。基本料金は介護保険利用で八百三十五円〜千三百八十四円、入浴サービスは一回五十円、食費一食六百円―など。
 開所式には、奥善夫市社協会長、居原田善嗣能登川支所長をはじめ、市議会議員、民生児童委員、地元・乙女浜町の住民ら約三十人が出席し、完成を祝うとともに、激増する超高齢社会に対応する社協・行政・地域の協働の必要性を再認識し、スタッフらから心強いあいさつが行われた。
 問い合わせは、ちゃがゆの郷(0748―45―8033)。
 なお、認知症は、脳を構成する神経細胞が病的に減ることによって、体験や出来事の記憶を徐々に失っていく病気。また、症状が現れる以前から脳機能障害が始まっており、予防は健康なうちから取り組むことが重要。このため国は、従来の身体介護から予防重視型システムに転換し、馴染みのある自宅や地域で生活できる地域密着型、小規模多機能サービスを進めている。

猪田さん、田井中さん

交通栄誉の緑十字銀章受賞


 交通安全功労者・優良安全運転管理者および優良運転者として最高位となる今年度の「交通栄誉章緑十字金章、銀章」に、滋賀県から八人が選ばれ、このうち、東近江市から東近江地区交通安全協会女性部長の猪田悦子さん(75、五個荘簗瀬町)と、同地区安全運転管理者協会副会長の田井中成夫さん(71、五個荘河曲町)が銀章に輝き、常陸宮同妃両殿下ご臨席のもと、東京都日比谷公会堂で開かれた「第四十七回交通安全国民運動中央大会」で表彰された。女性の受章は県内では初めて。
 猪田さんは、昭和五十年から旧八日市地区交通安全協会(現東近江地区交通安全協会)の女性部役員として取り組み、同六十二年の女性部設立時には、旧八日市市・旧神崎郡内のとりまとめ役として尽力した。その後、手づくりマスコットの制作立案など、馴染みのある各種交通安全運動として街頭啓発を行うほか、高齢者宅訪問や紙芝居による交通安全教育などを実施している。
 また、警察署の統合時には、旧八日市地区と愛知川、日野交通安全協会等との交渉役を努め、協会運営に多大な貢献を果たした。さらに、地域交通安全活動推進委員として、通学路の交通危険カ所点検、違法・迷惑駐車追放にも取り組んでいる。
 田井中さんは、昭和五十六年に地区安全運転管理者協会の理事に就任、平成六年には常任理事、翌年に同協会副会長に就くなど、活動を始めてから約三十九年間、地域住民や企業の交通安全に取り組み、安心・安全の社会づくりに貢献している。
 また、温厚な人格と地域に対する奉仕精神は社会福祉活動にも積極的であり、高齢者のいきいき活動や健康長寿づくりに汗を流すほか、精力的な交通安全活動を展開。培った経験を生かし、後任の育成や指導を展開している。
 受賞について両氏は「協会員や関係者のご協力のおかげで、とてもありがたく思っています」「今後も事故のない地域づくりを目指して力を尽くしたい」と話している。
 このほか、県内から受章した六人は次のみなさん(敬称略)。
 【金章】交通安全功労者・優良安全運転管理者=村田廣治(81、高島市)▽優良運転者=奥野清和(70、野洲市)
 【銀章】交通安全功労者・優良安全運転管理者=桐畑貞彦(66、大津市)▽優良運転者=林美津雄(71、草津市)、小川庄三(67、新旭町)、小川守(64、余呉町)

滋賀県内の労働相談は三千五百件

18年度上半期 非正社員から3割以上


 滋賀労働局は、労働者からの個別相談やあっせん申請に基づき十八年度上半期(昨年四―九月)に取り組んだ個別労働紛争解決制度の利用状況をこのほどまとめた。相談件数は一五%近く増加し、パートや派遣労働者など非正規社員からの相談・申請が全体の三割以上を占めたが、制度利用で全体の六割が合意成立している。
 各労働基準監督署など県下四か所の総合労働相談コーナーに寄せられた相談件数は三千五百二十三件(前年度同期比一四・八%増)で、このうち民事上の個別労働紛争相談(個々の労働者と事業主との紛争に関する相談)は六百八十一件にとどまった。内容別では、解雇関係が百十四件(一八・七%)、賃金など労働条件が二百二十五件(三六・九%)だった。このうち、個別労働紛争解決制度による滋賀労働局長による助言・指導の申し出がったのは四十六件で、前年度同期より十件増えた。
 一方、紛争調整委員会によるあっせん申請の受理件数は六十一件で、解雇関係が十九件(三三・九%)、労働条件の引き下げや出向・配置転換など労働条件関係は二十件(三五・七%)だった。あっせん手続が終了した六十二件のうち、当事者間の合意が三十八件と七割近くで成立している。解雇関係や労働条件に関する正社員からの相談が減少した一方で、派遣労働者などへの「雇止め」「いじめ・嫌がらせ」が増え、「セクシュアルハラスメント」や「女性労働問題」が増加し、パートなど女性労働者に対する雇用管理意識の低さが見受けられる。
 相談と指導助言の申し出やあっせん申請が、派遣労働者や期間契約社員などの非正規社員が三割以上を占めていることから、滋賀労基局は「職場内の人間関係に摩擦が拡大し、作業環境の管理への余裕の無さを指摘している。個別労働紛争解決制度は、 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(十三年十月施行)に基づき、企業組織の再編や人事労務管理の個別化などにより生じた労働関係についての労働者と事業主との間の紛争(個別労働紛争)を迅速にかつ適正に解決するため、都道府県労働局の助言・指導制度、紛争調停委員会のあっせん制度の創設などにより総合的に個別労働紛争の解決を図るシステム。

佐川急便が創業50周年事業

「樂吉左衛門館」を9月開設


 京都を拠点に革新的な作品を発表している陶芸家・樂家十五代樂吉左衛門氏の作品を展示する「佐川美術館十五代樂吉左衛門館」が、佐川美術館(守山市水保町)の敷地内に新館として九月十五日に開設される。
 これは、佐川急便株式会杜(本社・京都市南区、栗和田榮一社長)が、今年三月に創業五十周年を迎えるにあたっての記念事業。同美術館は「当館における第三の柱とし、伝統に立脚しながら斬新な感覚を示すその造形美の世界を、日本の伝統工芸を介して広く発信していきたい」としている。
 現代の茶室をイメージした「十五代樂吉左衛門館」の延べ床面積は、二千二百六十二平方メートルで、地上一階、地下二階の鉄骨・鉄筋コンクリート造り。水面下に設営された展示室と、これまでの茶室には見られない斬新な感覚でデザインした茶室で構成される。ゆったりとした展示室には、樂吉左衛門氏が主として平成十二年以降に作陶した五十点ほどの作品が、各展示室のテーマに沿って展覧される。
 樂吉左衛門氏は、昭和二十四年、十四代・覚入の長男として京都市に生まれる。東京藝術大学美術学部彫刻科卒業した後、イタリア留学を経て、昭和五十六年に十五代吉左衛門を襲名、現在にいたる。プリンストン大学「ヴィジティングフェローシップ」、「日本陶磁協会金賞」「MOA岡田茂吉賞優秀賞」、「第四十回毎日芸術賞」、「フランス芸術・文化勲章シュヴァリエ」、「京都府文化賞功労賞」などを受賞している。