滋賀報知新聞(ニュース)平成13年3月22日(木)第12605号

県の試験方法に住民が不信感

本当に進むか?栗東町の産廃処分場全容解明

県がしぶしぶ認めた「全量試験」
=山ずり入れた浸透水採取にも疑義!! =

(湖南・栗東町)
 産業廃棄物処理業者のRDエンジニアリング(栗東町小野)の処分場から高濃度の硫化水素が発生している問題で、住民で組織する産廃処理問題合同対策委員会(八木一男代表)は二月五日、住民集会を国松善次知事、猪飼峯隆町長出席のもとに開催した。席上、国松知事は「今後は全国の模範となるような対策をとる」と挨拶した時、会場からは割れんばかりの拍手が起こった。このような国松知事の思いとは裏腹に、コロコロ変わる県廃棄物対策課の調査方法に対して、住民の間からは行政不信の声が高まっている。【石川政実】

 県廃棄物対策課は二月六日からRD処分場内において▽大気汚染▽水質汚濁(浸透水、地下水、放流水)などの調査を実施している。

 浸透水と地下水の調査は、ボーリングなどを行い採水して水質検査をするもので、浸透水は四地点、地下水も四地点からそれぞれ採水した。ただし、浸透水のうち、二地点(県の呼び名はNo6、No7)は、図、写真のように掘削して管から採水する方法を採用した。

 県では、合同対策委と調査方法について昨年十二月から協議を重ね、今年一月十二日には県担当者が住民(合対委)の要望を受けとめ「採取した地下水と浸透水の水質検査方法を“全量試験”にする」と口頭で約束した。

 ところが三月初めになって「(全量試験でなく)ろ過してから測定する“溶出試験”のみにしたい」と県担当者は約束を反故にし、住民の行政不信は一挙に高まった。

 廃水、浸透水、地下水などの分析方法は、環境省が定めている日本工業規格(JIS)の基準により全量試験を行うのが常識になっている。採取した検体をすべてそのまま分析する全量検査に対し、ろ紙でろ過してから測定する溶出試験は実際より低い数値が検出されるという。ちなみに一昨年十月に住民(産業廃棄物処理を考える会)と県が合同で処分場のたまり水を採取し、昨年にそれぞれが検査したところ、県の溶出試験では環境ホルモン(ビスフェノールA)が三〇ppm検出されたのに対し、住民の全量試験では県の約百倍の二九〇〇ppmになった。

 さらに住民の不信感は増幅する。県はこの二月十三日、有害物質が一番出やすいと見られていた地点(No7)の浸透水を図のように採水するため、掘削工事を住民に知らせずに(住民の立ち会いのないまま)実施した。掘削規模は、一・五メートル×三メートル、深さ三・五メートルに及んだ。浸透水を溜めるとの理由で、底に一メートルおよび周囲に一メートルの粘土でおおった。

写真は山ずりで埋め戻して浸透水を管から採水した現場=No7地点

 粘土層や表層土を除いた、ゴミ層から浸透水が流れ込める高さは、わずか〇・五メートルにすぎない。ここにRD社が提供した直径四十センチの管(小さな穴があいている)を立て、その管の周囲に掘り出したゴミの混じった土でなく、RDが別の所から持ってきた山ずり(注1)を入れた。そして管の中に溜まった浸透水を二十三日に採水した。

 「山ずりを入れることによって、浸透水中の物質が吸着(ろ過)され、ありのままの姿にならない危険性が高い。また浸透水はもっと深いところから再採取すべきだ」(合対委副代表の高谷清氏)と住民側は主張する。

 県担当者は本紙取材に対し「全量試験をしないとは言ってない。この十五日に調査分析を委託している業者に確認したところ、全て全量検査ということだった」と胸を張った。しかし発注側の県が全量試験かどうかを知らずにわざわざ業者に確認すること自体、矛盾をきたしており、全容解明の姿勢すら疑わざる得ない。

 (注1)山ずりは土木工事などで掘り出された岩石・土砂


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画期的な価格引下げを実施

4月1日スタートの甲西町家電リサイクル法

販売時にリサイクル料上乗せを
=製品の循環 メーカー事業戦略が重要=

(湖南・甲西町)
 地球環境問題の背景になっている大量生産・大量消費社会。処分地の確保や処理機能が大量のごみに追いつかず、全国の施設では残り平均八・五年分とパンク寸前の状態だ。一方では資源の枯渇が叫ばれている。こうしたなか、生産や流通、消費の段階から見つめ直す法案が制定され、昨春施行の容器包装リサイクル法に引き続き、この四月一日から家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)がスタートする。【山田香織】                             

 この制度は、廃家電製品の引き取りと運搬を小売業者に、再利用化を製造業者(家電メーカー)に義務づけることで再商品化の仕組みを構築するもので、そのリサイクルの費用負担を消費者が担う新しいリサイクルシステムだ。回収対象はテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の四品目で、将来的にはパソコンも含まれる見込みとなっている。

 現在の廃家電は、約八割が小売業者、残りの二割が「大型ごみ」として市町村が収集・処理しているが、最終処分場の逼迫など近年では処分が困難な状況となっている。家電製品協会によると、家庭から排出される家電製品は年間で約六十万トン。処理施設を持つ市町村では鉄、アルミニウム等を回収しているが、処理能力の不足や施設がない市町村では民間業者に委託し、埋め立てや粉砕処理でただ有価金属を回収しているのが現状という。

 甲西町では、粗大ごみを再生利用するリサイクルプラザを持っており、昨年度はテレビ千十九台、洗濯機三百八台など計千九百二十七台を処理してきた。施行後は、町内業者に収集・運搬を依頼し、基本的に四品目については受取らない(同額負担金で一時あずかりは可能=負担金は※注1で記載)ことになる。なお、住民サービスとして、各自で持って来れない人に対して二十八日まで電話受付を行うほか、最終の三十一日まで家電処分を実施する。

 家電リサイクル法では、再商品化料金と収集・運搬料金(※注1)が必要だ。メーカーの再商品化料金は、テレビが二千七百円、エアコン三千五百円、冷蔵庫四千六百円、洗濯機二千四百円。小売業者の収集・運搬料金は五千円を基本に、二千五百円〜四千円が多い。消費者はこの『再商品化料金』と『小売業者の収集・運搬料金』に消費税を加算して負担しなければならず、以上のリサイクル料金の支払いについて各市町村では、不法投棄の増加を懸念している。

 冷蔵庫を例にあげると、再商品化料金四千六百円に運搬料五千円と消費税を足すと一万八十円となり、小型の冷蔵庫なら購入できる価格となる。
 甲西町生活環境課では、これら消費者負担の軽減について地元業者と模索し、このほど持込みおよび戸別収集の運搬金額を公表した。それによると、基本五千円とするところを十分の一の五百円に統一し、戸別収集では、テレビ五百円(通常千円)、エアコンと冷蔵庫は八百円(千三百円)、洗濯機七百円(千二百円)と画期的な引き下げを実施。石部町でも地元業者の協力のもと持参運搬料を同額の五百円とした。

 不法投棄のほか、義務外品の問題が心配されている。小売店には、自ら販売した製品または同製品の買い換え時に回収が義務づけられているため、それ以外の「義務外品」は引き取りを拒否される可能性が指摘されている。
 町内十一社による電気商業組合甲西最寄会の会長で、ノナカデンキの野中康男さんは「義務外品であっても回収する場合はあります。商いは売るだけでなく、人とのつながりが大切ですから」と、拒否される可能性は低いのでは、と話す。

 現在、排出時に直接徴収する点について国では見直しの議論が浮上しており、同町の担当者は「もし、販売時にリサイクル料金が上乗せされれば、寿命の長い製品を作るなどの工夫も行われるだろう」と、効率的な循環社会の構築を求める。多くの問題点を抱える家電リサイクル法、メーカーの事業戦略もサイクル全体を考慮することが必要な時代となっている。


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社寺彫刻の上丹生

冊子「木彫りの里」

=上丹生木彫組合が作成 =

(湖北・米原町)
 岐阜と三重の県境にある霊仙山から流れる丹生川と宗谷川。二つの川が合流する滋賀県米原町の上丹生地区には、花鳥雲龍などの紋様を自在に彫る伝統工芸職人の里がある。地元の上丹生木彫組合(中村末治組合長)はこのほど、社寺彫刻などで知られる上丹生の歴史などを紹介したミニ冊子「木彫りの里」=写真=を作成した。

花鳥雲龍など自在に彫る

 上丹生(かみにゅう)地区は、木彫り師・仏壇木地師・漆塗り師・"錺"(かざり)金具師・金箔押し師などが一つの集落に生活する全国的にも珍しい工芸の里で、約二百年前の「東海道中膝栗毛」が世に出たころ、京都へ修行に行った住民二人が社寺彫刻の技術を伝えたとされる。その技術は全国でも高く評価され、曹洞宗総本山永平寺や名古屋大須観音堂などの欄間を彫刻、大正十五年のパリ万国美術工芸博覧会では木彫作品が入賞した。

 現在では、長引く不況で経済的困難な時代を迎えているが、社寺の欄間や山車の彫り物など約七十人が従事。資源・環境への関心の高まりから木の再評価が行われ、同里の後継者も生まれつつあるという。

 この冊子は、木彫りが発展した背景や経過など説明するとともに、「仏壇づくりの里」として、各工程に携わる人々を紹介している。A六判、十二ページ。町役場のほか、地区内の各作業場に置いている。問い合わせは町産業振興課(TEL0749―52―1551)へ。


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ミニ企画「がちゃこん・風景」展

近江鉄道の魅力いっぱい

=愛知川町びんてまりの館で=


子どもと一緒に楽しめる「がちゃこん・風景」展

(湖東・愛知川町)
 ゆうがくの郷(愛知川町市)の愛知川町びんてまりの館で、沿線住民や鉄道ファンから「ガチャコン」という愛称で親しまれ、愛されている近江鉄道をテーマにした企画展「がちゃこん・風景」展が二十五日まで開かれている。

 開通から百年あまり、湖国の発展に大きく貢献し、地域の文化、人々の歴史や思い出とともに一世紀を走り続けてきた“ガチャコン”への敬意と愛情を込めて、八人の作家による作品約百点でつづる。

 出展は、松宮透さん(能登川町)の水彩画など「がちゃこん駅舎めぐり」をはじめ、切り絵の深尾昭彦さん(草津市)、油絵やスケッチの中田均さん(近江八幡市)、油絵の大洞定治さん(蒲生町)、スケッチの福山聖子さん(大津市)の作品を集めた「がちゃこんギャラリー」で、改築される前の愛知川や八日市駅、のどかな田園の風景に溶け込んで走る“ガチャコン”を描いた作品の数々。

 森俊朗さん(鉄道友の会京都市部)は昭和三十三年以降の車両の写真、郵便荷物併結列車や昭和六十一年三月二十六日の多賀専用線最終列車など、なつかしい駅舎や沿線の風景とともに「懐かしきがちゃこん」、辻良樹さん(能登川町)は「がちゃこん春夏秋冬」で、四季それぞれの“ガチャコン”の表情や新幹線とのツーショットの“ガチャコン”をとらえた写真を、それぞれ見せてくれる。

 会場通路中央の川岸春樹さん(近江八幡市)のコーナーは「ガチャコンペーパークラフトを作ろう」で、“ガチャコン”のペーパークラフト作品を紹介している。
 また、会場入り口のビデオコーナーでは、近江鉄道の運転士になった気分になれるビデオの上映もあり、“ガチャコン”の魅力にドップリと浸ることができる。


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沖島小で

たった一人の卒業式

=久田未来くんが巣立ち=


在校生7人の拍手で見送られ式場を
あとにする久田未来くん。

(湖東・近江八幡市)
 年々児童数が減少し、初めてたった一人の旅立ちを見送ることになった市立沖島小学校(玉川喜代子校長)の卒業式が十七日、体育館で行われた。

 卒業式を独り占めしたのは、久田幸雄さん(46)の二男・未来くん。
 玉川校長は、未来くんに卒業証書を授与したあと「六年前に一人で入学し、一人で卒業していく寂しさを乗り越えて、ここまで頑張ってくれました。これからも自分の夢を持ち続け、(叶うよう)努力して下さい」と祝辞を述べた。

 未来くんは、これまで一緒に練習をしてきた七人の在校生に加わって最後の「沖島太鼓」を力一杯打ち鳴らし、校舎に最後の別れを告げた。
 同校は、四月から新入生一人を受け入れるが、減少傾向には変わりない。島の過疎化をくい止めるために都会の児童を受け入れる「島留学」など試案の検討が始まった。


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