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滋賀報知新聞(ニュース)■平成13年8月26日(日)12783号
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初の開心手術に成功
国立滋賀病院・心臓血管外科
専門医療への環境が整う
=重症心不全患者も無事退院=
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患者(中央)の退院を喜ぶスタッフ─大川原医師(左)、奥村医師(左から2人目)─
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(湖東・八日市市)
八日市市五智町の国立滋賀病院(日野良俊院長)に心臓血管外科が昨年十二月に開設されて八か月を迎える。この間、いかなる疾患にも対応できる環境の整備も進み、今年四月には血管外科における最初の手術に成功した。
また、去る六月に人工心肺を使用した初めての心臓手術が行われ、重症の心不全状態だったにもかかわらず難手術に成功し、一か月後の七月二十六日には無事退院している。
この患者は、愛知郡内の男性(68)で、心筋梗塞、狭心症、心臓弁膜症を患い、安静時にも呼吸困難のある重症心不全の状態だったという。心臓にある四つのうち二つの弁に対する形成と冠動脈バイパスを同時に行う難手術に成功し、その後の経過は良好で輸血の必要もなかった。
手術は奥村悟医師と大川原潤医師が担当し、同病院における最初の開心手術に「あまりにも重症で合併症の心配もあったが、スタッフの協力で無事乗り切れることができた」と話している。
東近江・甲賀・湖東の医療圏(人口約五十万人、ベッド数約五千床)では、国立滋賀病院だけが心臓血管外科を持ち、今回の難手術に成功したことから、圏外にある専門施設への転院を余儀なくされていた患者・家族にとって、十分な治療を受けられることが立証された。
来年四月にはICU、CCU各二床を備えた新病棟(循環器病五十床)が完成し、政策医療の循環器病における専門医療としての心臓血管外科は、圏内だけでなく圏外の患者にとって、ますます重要になってくる。
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「地区別住民フォーラム」スタート
どうなる市町村合併
=八日市市 活発な意見次々=
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市町村合併について意見を述べる参加者――御園公民館で――
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(湖東・八日市市)
八日市市は、蒲生町、日野町、永源寺町と進めている市町村合併について、住民への情報提供と住民からの意見集約を図るため、「地区別住民フォーラム」を御園地区からスタートさせた。
市立御園公民館でのフォーラムには、地区内各町の役員や住民ら約四十人が参加。中村功一市長から合併に向けた市の姿勢とフォーラムの意義、市町村合併担当課から合併の必要性、効果と課題、合併規模と期限、事務レベルの取り組み状況、合併までのスケジュールなどについての説明を聞き、質疑応答に移った。
参加者からは、「一市三町だけでなく、JR駅、琵琶湖、国道8号とのつながりを視野に入れては」「小域合併から広域合併をめざすのか」「合併特例法による支援はあっても、そのあと交付金などが減らされるのでは」「御園地区は湖東町や愛東町との結び付きが強いので二町を含めた合併を進めてほしい」などの意見や、「八日市市がイニシアティブを発揮して、立派な合併案をつくってもらいたい」などの要望が次々と出された。
これに対し、中村市長、一市三町でつくる東近江東部地域行政研究会の会長を務める寺田治雄企画部長が、「今回は強制ではなく“自由合併”が前提、互いに望んで合併するのが望ましい」「究極の行政改革合併で行政能力や行政基盤整備力が問われる」「愛知郡で進められている合併研究への関心も寄せながら協議を進めたい」「湖東町・愛東町が加われば理想的な人口十万人規模の市が実現できるが、今のところは、行政、生活面で結び付きの強い一市三町で」などと答えた。
合併特例法の期限は平成十六年度末。これから逆算して、十四年度末までには、合併に向けた具体的な協議を行なう合併関係市町による「合併協議会」を立ち上げなければならない。
市町村合併はいよいよ住民一人ひとりにも、生活にかかわる差し迫った問題となってきた。各地区でのフォーラムのあと、十月中旬からはいよいよ一般住民を対象にした各町別の学習会も開かれる。
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石を手がかりに先祖知る
入門講座「近江石の文化財」
郷土史家・瀬川さんが発刊
=新たな視点から地域史に光=
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著者の瀬川さんと「近江石の文化財」
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(湖東・日野町)
日野町の郷土史家、瀬川欣一さん(同町鎌掛)は、昔の石造物を手がかりにこれから歴史を始めようとする人の手引き書になればと、このほど郷土史入門講座「近江石の文化財」(サンライズ出版=定価三千円=)を発刊した。これまで石造品は歴史入門書でほとんど扱われなかった分野だけに、貴重な一冊になりそうだ。サイズは、ハードカバーA5判で四百ページ。
瀬川さんが石造文化財に関心を持ち始めたのは四十年程前で、西宮市の郷土史研究家、故田岡香逸氏との出会いから。以後、見過ごされがちな地域の石仏や石塔などの研究を志し、各方面からアドバイスを受けながら県内各地で地道な現地調査を続けてきた。
同書は、「近江の石造品加工の歴史」「仏教に関連した石造文化財」「墓石に関連した石造文化財」「民間信仰の石造文化財」「神道に関連した石造文化財」「生活に関連した石造品」の六編を収録。ふんだんに写真を掲載したほか、読みやすい話し言葉でかみ砕くように解説している。
石造品を通して分かることは、信仰と密着した昔の人々の暮らしぶり。仏教主流の石造品は、県内では農業の発展によって生活が向上する鎌倉時代から盛んに生産されるようになり、安土・桃山時代にピークを迎える。全国的にみても京都、奈良に並ぶ多さで、経済的に恵まれた先進地域だったことがうかがえる。
永源寺町一式に残る「二十三夜塔」は、県内では一基しかないもので、中国の道教の教えがルーツである月待信仰の拠り所となった。石塔は明治十九年に建立され、高さ七十一センチの花崗岩に「二十三夜塔」と刻まれている。同地域では、二十三夜に女性が集まって飲食を共にした後、塔の前で月に念仏を捧げて解散する、という講を営んでいた。
瀬川さんは著作について、「歴史入門のハンドブックとして使ってもらいたい。石の文化財は道端など身近に多くある上、気軽に見たり、調べたりできることから、地方史を探るには一番の材料」と、話している。
同書の購入希望者は県内各書店で申し込む。問い合わせはサンライズ出版(TEL0749―22―0627)へ。
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日野町の薮下さん宅
季節はずれのシャクナゲ
=今夏の猛暑が影響?=
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薮下さん宅で開花したシャクナゲ
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(湖東・日野町)
日野町小御門の薮下政憲さん宅の庭でこのほど、季節はずれのシャクナゲが開花した。シャクナゲはツツジ科に属す常緑樹で、五月の連休ごろに咲くのが通常。
このシャクナゲも五月に一度見事な花をつけたが、再び盆前に咲き始めた。薮下さんは、「特別な育て方はしていないのに、なぜ今ごろになって」と、首をかしげている。
京都府立植物園によると、夏場に気温の高い日が続いた上、葉が害虫に食べられたりすると、何らかの作用が働いて一年に二度咲くことがあるという。
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調べたぞ! セミ殻600個、樹木340本
安土町の「ふるさと生き物探検隊」
身近な自然とのふれあい
=高島町の体験隊と交流会 =
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青木さんから採集したセミ殻の説明を聴く、安土と高島町の子供たち(20日安土町商工会で)
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(湖東・安土町)
安土町と高島町の小学生たちが夏休みを利用して取り組んでいた「エコキッズ・ふるさと生き物探検隊」の学習成果を紹介しあう交流会が20日、安土町で開かれた。
国が提唱する中心市街地活性化に基づき、地元商店街の生き残り策の取組みをスタートさす両商工会と県商工会連合会が、地域住民のコンセンサスを得ながら地元商業の復活を目指す「環境重視のまちおこし事業」の一環として企画。
小学生には環境、中、高校生には商い体験の場を提供し、子供たちが自分たちのまちを身近に感じ、地元商工業者が地域との接点を深めて活性化の糸口にすることがねらい。
小学生を対象にした生き物探検隊は、学校を通じて参加者を募集し、安土町からは21人、高島町からは19人の児童が申し込んだ。
児童たちは、元小学校教諭でグリーンウォーカークラブを主宰する青木繁さん(49)の指導を受けながら安土町では2日から、高島町では先月27日から「水辺の生き物」、「樹木や滝の植物」、「セミ」、「人々の生活と水」の4つの共通テーマに別れて活動してきた。
水辺の自然環境やその役割、植物の種類、山の高度による成育樹木の違い、セミの抜け殻から種類や棲息分布、西の湖の水質調査などに取組み、そのまとめが出来上がる最終日にまず安土町での交流会を開いた。
町商工会で開かれた交流会では、安土町の児童たちが、観音寺山の散策道で調べた樹木340本の名前と分布、沙沙貴神社や老蘇の森などで採集した約600個のセミ殻から棲息状況と種類など、現地調査で得られたデータのまとめ方や新しい発見などの成果をまとめ、自分たちのまちの自然環境について学習を深めたあと、高島町の児童たちを乗せたバスが到着。
グループごとのテーブルに着いて自己紹介したあと、安土町の子供たちが高島町の子供たちを西の湖と安土城跡に案内し、昼食を囲みながら交流を深めた。
現地見学のあと、お互いのまちの違いや生活環境の工夫などに視点を置きながら今回の交流を通して環境を守るために自分たちでなにが出来るかを考え、まとめとした。
指導に当たった青木さんは「子供たちは、自然とのふれあいを大変喜びますね。遊びながら学ぶことは子供たちが一番望んでいることではないでしょうか。自然を楽しむことに飢えているのでしょう」と子供たちの熱心さに感心していた。
今回、両町の小学生が取り組んだ自分たちの町の環境調査のまとめは、11月に大津市で開催される世界湖沼会議の中で子供たちがパネル発表を行う。
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