滋賀報知新(ニュース)平成13年8月30日(金)12788号

占部氏とアリ氏が受賞

「11回生態学琵琶湖賞」決まる

水環境分野で優れた研究や業績
=10月6日、 授賞式&記念講演 =

 

占部氏     アリ氏

(全 県)
 県琵琶湖環境部環境政策課はこのほど、「第十一回生態学琵琶湖賞」の受賞者に、京都大学生態学研究センター助教授の占部城太郎氏(42)と、マレーシア科学大学生物科学部教授のアヤウディン・ビン・アリ氏(46)の二人を選んだと発表した。授賞式および受賞記念講演は十月六日、琵琶湖ホテル(大津市)で開催される。

 「生態学琵琶湖賞」は、水環境に関連する生態学研究で優れた業績を挙げた国内外の研究者に毎年贈られるもので、平成三年度から県が設けている。今回は、日本十一人、中国三人、台湾一人、韓国一人、タイ二人、フィリピン一人、インドネシア三人、マレーシア五人、シンガポール一人、ロシア一人の計二十九人の募集の中から、二人が選ばれた。

 十月六日の受賞記念講演は、占部氏が「湖の食物網と物質循環|琵琶湖をささえるプランクトンの世界」、アリ氏が「アジアの調和のとれた稲作農業生態系|長年に渡って培われた水生生物多様性の保全、最適化そして理解へのアプローチ」となっている。なお両氏には、賞金五百万円がそれぞれ授与される。

 占部氏は、湖沼におけるプランクトンの成長や増殖を生態学的化学量論という新しい視点から研究した。動物プランクトンは植物プランクトンを食べているが、成長するためには、これまで漠(ばく)然と考えられてきたように、ただたくさん食べればよいというのではなく、同氏はこの関係を実験的に解析し、国際的に評価されている。富栄養化が憂えられている琵琶湖では、不思議なことに植物プランクトン中のリンの量が少なく、逆に動物プランクトンは食べたリンをせっせと貯め込んで、それが食物連鎖によって魚に移っていくことも明らかになった。

 アリ氏は、マレーシアにおける水田養魚に関する生態学的な研究を展開している。水田は浅い沿岸帯のような環境であり、琵琶湖周辺でもナマズなどの魚が水田で産卵し稚魚が育つことが昔からよく知られている。同氏は水田における食物連鎖とその季節変動、農薬使用の影響、水田への灌漑(かんがい)とそれに伴う水位変化と魚の産卵との関係や、二毛作導入と稚魚の餌の問題、水田に接する水路や溜池のもつ養魚上での役割など、実用的にも生態学的にも多くの示唆を与えた。水田での稲作と養魚を統合するシステムの構築には同氏の貢献が大きい。


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世界スポーツフォト

笹川財団作品募る

=最優秀は500万円=

(全 県)
 笹川スポーツ財団は、「SSF世界スポーツフォトコンテスト」の応募作品を募集している。同コンテストは、世界の共通語であるスポーツをテーマに、躍動する肉体の美しさ、ヒューマニズムあふれる感動のシーン、ゲームの決定的瞬間など、スポーツに関するあらゆる写真を世界中から募集する世界最大のスポーツフォトコンテスト。

 応募資格は国内のプロ、アマを問わない。賞としては、ゴールドプラズ一点(トロフィー、同五百万円)、特別賞五点(トロフィー、賞金百万円)、SSF賞二点(トロフィー、同百万円)となっている。

 サイズは四ツ切プリント(254ミリ×305ミリ)で、カラー、白黒を問わない。応募点数に制限はないが、組写真とポートフォリオは一組六枚以内とする。
 国内外の写真家、スポーツ誌編集長、スポーツ振興機関などの直接スポーツ又はスポーツ写真に関係する十人が審査に当たり、五月中旬に結果を発表する予定。

 応募希望者は、作品ごとに必要事項を記入した所定の用紙を裏面に貼り付け、来年一月三十一日までに〒105―0001東京都港区虎の門一―一五―一六、SSF世界スポーツフォトコンテスト事務局(TEL03―3580―5854)へ郵送する。


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音楽が韓国・台湾・県内若者たちの友情育む

=「アジアユース音楽祭」開催=

伸びやかな歌声をホールいっぱいに響かせた合同合唱団員たち
(湖西・大津市)
 びわ湖アジア芸術文化祭のオープニングを飾る「アジアユース音楽祭」がこのほど、びわ湖ホールで開催され1450人が来場した。

 第一部は、県内初の取り組みである韓国・台湾・県内選抜者の若者たち約140人で編成された合同合唱団「びわ湖アジアユースクワイア」が13曲を歌い上げ、心迫る歌声に会場からは拍手喝さい。指揮者の大谷研二氏は「音楽が若者たちの心を一つにした」、合唱団員の森井宏平君は「近くて遠い国といわれている韓国の友達ができてとても嬉しい」と話していた。

 また、第二部では県選抜の中高校生約100人で構成された「びわ湖ジュニアオーケストラ」が演奏し、最後の第三部では、アジアユースクワイアとジュニアオーケストラ合同で“琵琶湖周航の歌”など2曲を披露した。


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フロンが及ぼす環境破壊と人体への影響知って!

「いのち・地球・みらい・21世紀のつどい」

=9月8、9日 栗東芸術文化会館さきらで=

平成8年に石山高校1年7組に在籍していた生徒が作った環境メッセージキルト
(湖南・栗東町)
 目に見えないところで環境破壊を起こしている“フロン”をテーマにした「いのち・地球・みらい・二十一世紀のつどい」が九月八、九の両日、栗東芸術文化会館さきら中ホール(栗東町)で開催される。参加無料。

 これは、平成六年に設立した環境保護非営利任意団体「ストップ・フロン滋賀」とNPO法人「ストップ・フロン全国連絡会」の共催で、平成八年の「オゾン層保護全国大会(大津市で開催)」以来、毎年九月の“オゾン層保護対策推進月間”にあわせて行われている全国イベント。

 県では、十二年に「大気負荷の低減に関する条例」を制定し、オゾン層保護のためのフロン(CFC、HCFC)の放出抑制を実施。また、第百五十一回通常国会では「フロン回収・破壊法」が成立したが、費用の徴収方法や回収の実行性など解決すべき課題は多い。

 今回のつどいでは、八日の午前に「G10環境先進自治体会合―フロン放出を防ぐために―」と題して、国の規制に先がけてフロン回収のため自治体が独自で条例を施行した十自治体(滋賀、兵庫、神奈川、群馬、福島、静岡、東京、大分、山形、熊本)の行政関係者と回収実務者約六十人が参加して、フロン回収実務に向けた会議を行い、情報の共有と回収促進へのアピールを行う。

 午後からは「待ったなし!どうする?フロン対策」をテーマに、同連絡会・西薗大実氏、気候ネットワーク・浅岡美恵氏、同滋賀代表・宮川琴枝氏の三氏をパネリストに迎え、日本テレビ・萩原弘子氏がコーディネーターを務めるパネルディスカッションが開かれる。定員は四百人。

 また、九日は次世代を担う子どもからフロンを排出した責任を負う大人まで、オゾン層破壊がもたらす紫外線の人体への影響などについて楽しみながら知ってもらおうと、「オゾン層ってなんだろう?」を共通のテーマに、湖人の会のミュージカル「近江のこたろう」、基調講演「こどもたちは大丈夫か?〜諸外国にみる紫外線対策〜」(講師=紫外線教育研究所代表・柴田英俊氏)、ストップ・フロン全国連絡会の製作曲“オゾン層ってなんだろう?”(作詞作曲=萩由美子氏)の合唱などが行われる。

 さらに、会場では、平成八〜十年に卒業した石山高校卒業生が家庭科の授業で同校元教諭の古子澄江氏の指導のもと、環境への思いを一針一針に込めながら作った「環境メッセージキルト」約三十点の展示と、安曇川町在住の山本直哉氏が異常気象やダイオキシン汚染が問題となったベトナム戦争などを撮影した写真を「緊急報告 世界の異変」と題して紹介する。

八日の参加希望者は、住所、氏名、電話番号、FAX番号を明記の上、FAXか電子メールで申し込む。九日の参加希望者は事前申し込みが不要。申し込み、問い合わせは、ストップ・フロン滋賀(電話077―537―4970、FAX077―533―1323、Eメールtom-tom@mvf.biglove.ne.jp)まで。


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教団の改革に住民警戒

オウム施設めぐる抗議運動の現状

甲西公安委員会へ施設処分要請
=水口行政と住民の連携強化検討=

周囲に雑木が生い茂った教団施設(甲西町平野)
(湖南・水口町)
 松本智津夫被告(46)=教祖名麻原彰晃=との「完全決別」を模索し、組織改革に臨もうとするオウム真理教(アレフに改称)。施設周辺の住民たちは「教団は基本的に麻原教であって、根本は何も変わらない」と、むしろ不安を募らせ、粘り強い抗議運動で施設退去を要求するが、信教、結社、居住の自由を主張する信者と平行状態が続いているのが現状だ。教団施設がある甲西町平野、水口町柏貴(かしき)の両区の現状を取材した。

 住民でつくる甲西町平野町環境整備オウム対策委員会は、今月二十、二十二の両日に上京し、国家公安委員会委員長の村井仁氏、公安調査庁長官の書上由起夫氏を訪ね、オウム真理教の施設立ち退きを求める要請文百三十五通を手渡した。

 要請文には、子どもの下校を心配する母親の不安や、妻や子の安全を祈りながら出勤する夫の胸中がつづられ、一日も早い施設使用禁止処分を訴えた。対策委員会のメンバーは陳情の狙いについて、「以前は施設からのし尿垂れ流しなどがあって警察のパトロールが頻繁に行われていたが、最近は少なくなった。臨時派出所やパトロール強化を期待したい」と話す。

 同地区にある教団施設は、木造平屋建て約七十一平方メートルの住宅で、パソコンソフト製造を名乗る「シュリー電子」の看板を掲げる。滋賀・京都・岐阜エリアをまとめる活動拠点とされ、教団幹部を含む信者五人が居住するほか、在家の信者らしき人物も出入りしているという。
 

 これに対して対策委員会は、五十メートル離れた町有林にプレハブの監視小屋(約十平方メートル)を建て、ビデオカメラを使って二十四時間体制で監視。このほかにもデモ行進を行い、今年に入ってからは三月、六月に「オウム転入拒否」などと書いたプラカードを掲げて立ち退きを要求した。最近では大きなトラブルはないが、関係者は「常に声を上げて抑止しなければならない」と、警戒を強める。

 住民との協議会でスクラムを組む同町は、今のところ信者宅に隣接する上水道貯水タンクを見張るセンサー式監視システムなどの機器類を設置するほか、同様の問題を抱える全国の自治体と情報交換するのが精いっぱい。

 住民登録している信者らは納税義務も果たしており、同町総務課は「公安委員会の立ち入り調査でも命に関わる危険な証拠はなく、違法性が見当たらないため取り締まることはできない」と、手詰まり感を漂わせる。

 県内でもう一つの施設がある水口町では、行政と住民運動の連携を強化するため、教団の動きにあわせて協議会設置を検討している。甲西町の教団施設は一府二県を統括する拠点施設であるのに対して、一道場とみられることから運動の盛り上がりに温度差があった。

 担当の同町総務課によると、柏貴区の住宅地の入り口にある施設は二階建ての民家。平成十年四月に転入してきた住民五人(現在は四人)が、同年夏に同教団の信者であることが判明し、自治会は退会という形をとった。翌年十二月になって住民による柏貴区環境整備オウム対策委員会が設立され、これまで署名やデモなどで退去を要求してきた。

 当初は「修行」による騒音で住民との間で摩擦があったが、現在ではひっそりと静まり返り、一見普通の住居とかわらない様子だ。それでも夕方以降になると、人数は減っているものの在家の信者が出入りし、、何らかの宗教活動を行っているという。


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