滋賀報知新(ニュース)平成13年12月31日(月)号外

●8/2

民主・法雲

『小泉旋風』だけが惨敗要因でない

参院選滋賀選挙区の開票結果振り返る
10万票が四苦八苦の連合労組

=武村、奥村両氏のひざ元で逆転現象 =

((全 県)
 一部既報の通り七月二十九日に投開票された参院選滋賀選挙区(改選数一)は、自民の山下英利氏が三十二万二千三百二十二票を得票し再選を果たした。これに対し、民主の法雲俊邑氏は十六万三千八百四十票、共産の川内卓氏は六万六千二百九十五票、自由連合の北田緑氏は三万三千九百十六票と、それぞれ山下氏に大きく水をあけられた。山下氏の圧勝は、自民の小西哲代議士の死去に伴う十月の衆院滋賀2区補選、その後の次期衆院選にどのような影響を与えるのか、法雲サイドを中心に展望してみた。           

【石川政実】

 ● 小泉旋風の幻影

 山下氏が獲得した三十二万票二千三百票(十桁以下は切り捨て)の中に、「小泉旋風」票はどの程度、含まれていたのだろうか。昨年六月の衆院選小選挙区で自民党が1区(目片信氏)、2区(小西氏)、3区(岩永峯一氏)で獲得した得票合計は二十八万五千六百票、平成十年(前回)の参院選で自民の河本英典氏が二十八万六千三百票、平成四年の参院選でも同氏は二十七万四百票を得票したが、このように二十七、二十八万票が通常の場合の山下氏の上限だろう。ところで今回の参院選比例区は、滋賀県での自民党の得票が二十四万千百票。「通常、比例票の得票にプラス二万票が選挙区の得票」(自民県議)とすれば、山下氏は約二十六万票。いずれにせよ、「小泉旋風」が吹かないケースの山下氏の上限は、二十六〜二十八万票。三十二万票から上限を引けば、六万票(四万票〜)以上が「小泉旋風」か。

●連合神話の崩壊

「小泉旋風がなければ、この六万票の約半分は法雲氏に回り、同氏は二十万票のはず」(法雲陣営)との希望的観測もあるが、法雲氏の惨敗は「小泉旋風」だけではない。今回から比例区は、非拘束名簿方式で政党名か候補者名(名簿登載者)のいずれかで投票できる。民主党を支援する連合滋賀の九産別は、それぞれ組織内候補候が立った関係で全力投球。ところが、九産別のうち、ゼンセン同盟、情報労連、JAM(金属)の三候補は落選した。ちなみに比例区(県内)でゼンセン同盟の柳沢光美氏が四千百二票と九産別のうち三番目に高い得票だったが、昭和五十五年の参院選全国区の二万千百票からすれば、往時の勢いはない。今回、民主党は比例区(県内)で、政党名が八万八百票、候補者名が 三万三千二百票の計十一万四千百票を獲得した。本紙は七月十九日付けで「連合が十一万票を切れば責任問題」と報じたが、今回の十一万票には、党名を書いた労組以外の有権者が当然含まれており、労組は十万票を切ったと見られる。かって連合滋賀は「フル稼働すれば二十万票」と恐れられたものの、現在は十万票を超えることすら四苦八苦だ。

●揺れる武村評価

今回の参院選は、今年三月に民社と旧さきがけ滋賀が合併した成果がどのように出てくるかが焦点だった。しかし開票結果は、山下氏が前述のように昨年の衆院選小選挙区での各自民党候補者の得票数に約四万票を足した三十二万二千三百票に対し、法雲氏、川内氏は昨年の補選の得票の微増にとどまった。法雲は、1区が補選に比べ五千三百票増、3区が同比三千二百票増なのに対し、2区だけが同比九百票減。とくに民主党から十月の衆院補選に出馬予定の武村正義前衆院議員のおひざ元の八日市市は、補選で法雲氏が四千七百票、山下氏四千三百票と法雲氏がリードしたのに、今回の参院選では山下氏八千八百票、法雲五千九百票と逆転し「武村恐るに足らず」と自民を勢いづかせている。同様のことは、民主の奥村展三元参院議員の地盤の甲西町でも起こっている。また1区では山下氏が大津市で昨年の衆院選において民主の川端達夫衆院議員が得票した六万二千票と並び、川端氏も自民の射程距離に入ってしまった。
 一方、自民では、十月に行われるの衆院補選の候補者選びが本格化している。小西氏の弟の小西理氏を始め、西川知雄・前衆院議員(神奈川県3区選出)、首相公選制を掲げて全国で運動を展開中の小田全宏氏、平和堂の夏原平和社長などの名が取り沙汰されている。自民に対抗して民主は、武村氏や川端氏らに続く無党派層の支持が集まる市民派の若きホープの発掘に努めないと、いたずらに自民の後塵(じん)を拝するばかりになろう。


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●8/30

占部氏とアリ氏が受賞

「11回生態学琵琶湖賞」決まる
水環境分野で優れた研究や業績

=10月6日、 授賞式&記念講演 =

 

占部氏     アリ氏

(全 県)
 県琵琶湖環境部環境政策課はこのほど、「第十一回生態学琵琶湖賞」の受賞者に、京都大学生態学研究センター助教授の占部城太郎氏(42)と、マレーシア科学大学生物科学部教授のアヤウディン・ビン・アリ氏(46)の二人を選んだと発表した。授賞式および受賞記念講演は十月六日、琵琶湖ホテル(大津市)で開催される。

 「生態学琵琶湖賞」は、水環境に関連する生態学研究で優れた業績を挙げた国内外の研究者に毎年贈られるもので、平成三年度から県が設けている。今回は、日本十一人、中国三人、台湾一人、韓国一人、タイ二人、フィリピン一人、インドネシア三人、マレーシア五人、シンガポール一人、ロシア一人の計二十九人の募集の中から、二人が選ばれた。

 十月六日の受賞記念講演は、占部氏が「湖の食物網と物質循環|琵琶湖をささえるプランクトンの世界」、アリ氏が「アジアの調和のとれた稲作農業生態系|長年に渡って培われた水生生物多様性の保全、最適化そして理解へのアプローチ」となっている。なお両氏には、賞金五百万円がそれぞれ授与される。

 占部氏は、湖沼におけるプランクトンの成長や増殖を生態学的化学量論という新しい視点から研究した。動物プランクトンは植物プランクトンを食べているが、成長するためには、これまで漠(ばく)然と考えられてきたように、ただたくさん食べればよいというのではなく、同氏はこの関係を実験的に解析し、国際的に評価されている。富栄養化が憂えられている琵琶湖では、不思議なことに植物プランクトン中のリンの量が少なく、逆に動物プランクトンは食べたリンをせっせと貯め込んで、それが食物連鎖によって魚に移っていくことも明らかになった。

 アリ氏は、マレーシアにおける水田養魚に関する生態学的な研究を展開している。水田は浅い沿岸帯のような環境であり、琵琶湖周辺でもナマズなどの魚が水田で産卵し稚魚が育つことが昔からよく知られている。同氏は水田における食物連鎖とその季節変動、農薬使用の影響、水田への灌漑(かんがい)とそれに伴う水位変化と魚の産卵との関係や、二毛作導入と稚魚の餌の問題、水田に接する水路や溜池のもつ養魚上での役割など、実用的にも生態学的にも多くの示唆を与えた。水田での稲作と養魚を統合するシステムの構築には同氏の貢献が大きい。


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●10/11

来夏の知事選にも暗雲!?

亀裂広がる草津市議会の改選
古川市長派VS太田前助役派激突

=次期市長選へ各会派が前哨戦 =

    

  平田議長      村田副議長       山本監査委員

(湖南・草津市)
 草津市議会は三日、議長に平田淳一議員(57)=四期、公明=、副議長に村田進議員(60)=二期、無所属(市誠同友会)=、監査委員に山本正行議員(50)=三期、無所属(市民連合)=を選出した。県内では珍しい公明党議員の議長誕生となった今回の改選は、次期市長選に向けて古川研二市長(69)VS太田正明前助役(57)の対決構図を浮かび上がらせた。同時に次期知事選にも暗雲がたちこめてきた。 

 現在の市議会の会派構成は、自民党系無所属の新政21(八人)、自民系無所属の市誠同友会(七人)、革新系の市民連合(四人)、共産(三人)、公明(二人)となっている。

 今回の役選は、市誠同友会が市民連合や公明と組んで、三ポストを独占したもので、昭和二十九年以来、保守系(自民)で議長を占めてきた歴史に終止符が打たれた。  
異例の役員改選が行われた背景には、古川市長と、次期市長選に出馬の意向を示している太田前助役の対立構造がある。

 早い時期から古川市長は、三月で助役の任期が切れる太田氏を再任させない腹づもりだった。しかし、当時、所属議員が十五人と最大会派の市誠同友会は、長老グループを中心に古川市長に太田助役再任を強く迫っていた。それは「次期市長選には太田氏を市長に」との意志表示でもあった。

 この動きに反発を強めた若手議員らは、同月七日に新政21を立ちあげ、市誠同友会は分裂。これをきっかけに太田氏は結局、退任に追い込まれた。事実上の解任劇であり、次期市長選をめぐって、古川市長VS太田氏の怨念のバトルが始まることになる。

 空席となった助役の人事に悩んだ古川市長は、現職の県庁幹部にも白羽の矢を立てるが、一部県会議員らの反発もあって、県は土壇場で難色を示し、ご破算に。 焦った古川市長は七月下旬、苦肉の策として、腹心の西村義則総務部長の抜てきで腹を固め、臨時議会開催への根回しをするものの、議会の一部で反発があり、結局、九月定例市議会の開会日である同月十二日に助役人事案件を提案し、同意された。

 このような動きの中、議長、副議長改選でも確執は深まっている。古川市長に批判的で太田派と目される市誠同友会は、公明、市民連合と組んで、市長の親衛隊である新政21や共産と争い、自らが推す議長、副議長の選出に成功した。

 保守系の中堅市議の一人は「今回の改選で、太田氏を担ごうとする市誠同友会、公明、市民連合と古川市長派の新政21の対立構造、つまり一年半後の市長選の構図が鮮明になった。この前哨戦として、来夏の知事選も、国松善次知事に対抗する有力候補が出現した場合、新政21が国松氏、市誠同友会等が別候補を推す事態も考えられる」との懸念を深めている。


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●11/15

中坊氏もびっくり??

県のビオトープ用地購入問題

県がRCCからの安値売却話ける!
=県監査結果、購入の「緊急性」認めず=

写真は県監査委員が「購入は拙速」と批判したビオトープ用地
(湖西・大津市)
 県が事業計画もないのに大津市木の岡町の通称「幽霊ビル」跡地の一部を取得したのは不当な公金支出に当たるとして、国松善次知事らに購入費約五億円を県に支払うよう求めた住民監査請求に対し、県監査委員は八日、請求を棄却した。
「土地取得は拙速であり、知事に猛省を促す」という異例の意見がついた監査結果を検証し、ビオトープ用地購入問題の深層に迫ってみた。       

【石川政実】

 ●苦渋の監査結果

 今回の監査結果は、苦渋に満ちた結論となっている。事業計画がないまま県が七月、ビル跡地約一万五千平方メートルの約半分を「ビオトープ(生物の生息空間)の拠点」の名目で、県土地開発基金を使って約五億円で購入した経緯に対し、監査委員は(1)県環境部水政課が昨年三月に策定したマザーレイク21計画にビオトープが記述されている(2)県大津土木事務所が平成七年から十年度まで同水辺を調査し、多くの生物種を確認(3)土木交通部河港課が今年三月に“大宮川河口部左岸(購入用地)ビオトープの保全・回復”をまとめたーなどにより、「選定手続きに問題はない」とした。

 しかし、はたしてそうか。(1)のマザーレイク計画はあくまで指針にすぎず、水政課が来年度に策定するマスタープランを待って購入すべきであり、河港課が購入せざるを得なかった緊急性はない。事実、監査結果でも緊急性を否定しているのだ。

 県は購入理由を「民間の開発行為が行われる可能性が高く、緊急に保全する必要があった」としたことに対し、監査委員は「緊急性は認められない」と批判。ただし先行取得については「知事の裁量権」とし、購入手続きに違反はないとした。その一方で「購入はあまりに拙速であり、知事に猛省を促す」という異例の意見をつけるなど、論理矛盾も見られる監査結果となっている。

 ●県調査に疑問

 本紙取材によって、旧住宅金融専門会社(住専)の債権を引き継ぐ(株)整理回収機構(略称RCC=十一年三月まで住宅金融債権管理機構)が県にビル跡地の購入を打診し、断られていた事実が分かった。ちなみに同ビルは、鹿児島の観光業者が昭和四十三年に高層ホテルとして着工したものだが、資金難から外形を残したまま中断。その後、所有者が転々とし平成四年五月、京都市の開発企画会社がビルを爆破解体。この土地の所有者は、開発企画会社の系列会社で、住専から多額の融資を受けており、これが不良債権化。債権を引き継いだRCCが県などの処分先を探したものの難航。十一年五月、大津地裁で競売されたが入札はゼロ。その後「特別売却」に切り替わり、昨年五月、大阪府の企業に最低売買価格三億八千八百万で売却された。

 中坊公平弁護士が社長を務めたRCC(大阪市)の広報担当者は「十年の中頃から後半にかけて数回、うちの調査役が幽霊ビル跡地全部を買ってもらえないかと県へ打診に行っている。しかし県は『財政赤字で土地を買う余裕なんかない。それにあの土地は使い途などない』とけんもほろろだった。それなのに今回、三億八千八百億円で特別売却された土地の約半分を県が五億円で買ったのは、やはりおかしい。もちろん県に話した時は、特別売却価格をはるかに下回っていた」と首をひねった。

 山田新二副知事は「RCCの話を断ったのは、がれきのある状態で、しかも事業計画もなしで買うわけにはいかなかったからだ。ところが昨春にマザーレイク計画、今春に保全・回復の概略が出てきて、それなら買おうということに急になった」と説明する。しかし県が断ったとされる十年は、県大津土木が水辺調査した最終年度(前述(2)参照)であり、この調査結果を待たずになぜ断ったのかー謎は深まるばかりである。


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●12.20

ホスピタリティの向上へ

県が観光指針「湖国観光交流ビジョン」策定
観光コミュニケーション充実も

=『滋賀の魅力』の自覚促す =

受け入れ環境の整備図式
(全 県)
 県商工観光政策課はこのほど、二十一世紀における県観光振興指針として「湖国観光交流ビジョン」を策定した。これは近年の観光を取り巻く情勢変化に対処し、効果的・創造的な施策の展開を図ろうとしたもの。とくに今回の指針は、まず県民自らが滋賀の魅力に気付き、考え、磨き、共に楽しみ、守ることが観光の魅力創出につながるとの基本認識を示したことが注目される。


 県によれば、平成八年からこの四年間では、延べ観光客数が一・九%の増加にとどまり、ほぼ横ばいにとどまっている。このような状況を打開しようと、県では今回の観光振興指針で、県民自らが滋賀の魅力に気付き、考え、磨き、共に楽しみ、守ることを基本認識に据えた。

 具体的施策としては1.「環境・自然体験観光」2.「豊富な歴史・文化体験観光」3.「健康づくりテーマの観光」4.「ふれあい交流型観光」5.「魅力ある行事・イベントの展開」6.「特産物・名物の発掘・開発」7.「情報発信の強化」||などをあげている。

 「環境・自然体験観光」では、伊吹山などの山々、瀬田川をはじめとする河川など、県の豊かな自然を利用して▽国定公園、県立自然公園等の活用▽マリンスポーツ、スキー・スノーボードなど体験型観光の推進▽琵琶湖や河川での遊び方や文化の創造▽エコツーリズムの推進ーなどに取り組む。

 「豊富な歴史・文化体験観光」では、滋賀県の豊かな歴史・文化・芸術などを楽しんでもらおうと▽歴史探訪型観光▽歴史・文化資源の発掘及び活用▽伝統的街並みや暮らし、習俗の復活による地域密着型観光ーーを推進する。

 「健康づくりテーマの観光」では▽ハイキング・自転車等スポーツ・レクリエーションの活用▽温泉、クアハウス等の活用ーなど、「健康」への関心の高まりに対応した取り組みを進める。
自然体験観光のメッカとして期待が集まる

 「ふれあい交流型観光」では▽農林漁業体験やグリーンツーリズム▽県民と来訪者との交流を活発にする取り組み▽食をテーマとする観光ーなど滋賀ならではの特徴を活かしていく。 

 「魅力ある行事・イベントの展開」では、大津祭、びわ湖大花火大会、びわ湖国際環境ビジネスメッセといっの行事の開催方法に工夫を凝らするとともに、新たな行事の発掘や創造に努める。

 「情報発信の強化」では▽コンベンションなどの活用▽祭りや歴史・伝統文化など地域固有の情報発信▽観光大使等など多様な人材を活用した情報発信▽旅行業者・旅客運送事業者との連携強化▽京都、奈良とのネットワーク化▽「滋賀ファン」づくりーなど多様な情報発信を行うことで、観光コミュニケーション活動を展開する。

「受入環境の整備」では、県民一人ひとりが、外国人を含めた来訪者を積極的に受け入れ、交流し、共にフレンドシップ(親睦を深める)やホスピタリティ(相手の気持ちを尊重して相手につくす)を向上させるとともに、ユニバーサルデジンの先進県を目指すとしている。

なお県ではビジョンの策定に当たって今年六月二十九日から七月三十一日まで、
県民政策コメント制度による意見募集を行い、寄せられた意見などを踏まえて指針(素案)を一部修正したため、先月三十日から六カ月間、県商工観光政策課、県民情報室および各地域振興局の行政情報コーナー、県のホームページなどで公開している。


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