(湖東・広域)
2市5町破綻後の新たな合併の枠組で八日市市は、蒲生、五個荘、愛東、湖東町との1市4町の合併協議を模索しているが、そのうち意向がしっかりつかめていない蒲生町に対して、町民の民意を行政側が意図的に作り上げ、八日市市側への参入に導くシナリオが同市にあることが明らかになった。
もし、このシナリオが実行されれば、蒲生町民の民意そのものが八日市市によって遠隔操作される大きな問題となるばかりか、日野町との分離を郡外の同市が加担する内政干渉にもなる。
シナリオが描かれた内部文書には「蒲生町を最良のパートナーと位置づけることが必要」とするが「蒲生町にとっては、今日までの愛東、湖東へのつながりは希薄であり、『八日市市と愛東町、湖東町のつながり』や『愛東町、湖東町の思い』を前面に押し出すことは、蒲生町とともに歩むことに対する障害となりうる」との冷静な見解を示している。
これは、これまでつながりのなかった愛東、湖東町との合併は、蒲生町民の理解を得られにくい、また、日野町との関係を町当局が断ち切りにくいとの判断があることが伺える。この対応策として「八日市市と近接する蒲生町の自治会から八日市市との合併を最優先するべきという旨の要望書等が提出されるように取り組む(蒲生町)」を追記している。
八日市市は、内陸型の地方都市を目指しているが、枠組みに誘い入れるために他町の民意を作為的に形成するという、思惑があることに問題がある。
合併の民意は、その市や町の人々が、自分たちのまちの立場で自由に判断すべきである。この民意づくりは蒲生町当局が取り組むようにも受け取れ、もし、蒲生町がシナリオ通りに動こうとするのなら、八日市市の言いなりになる吸収合併の関係が生まれる心配がある。
同市は、2市5町の枠組みから離脱を成功させたシナリオを蒲生町でも実行しようとしている。また、1市4町の合併を望むとした玉緒、御園、建部の3地区長連合会会長連名の要望書の下書きもすでに作成しており、これまでの八日市市が「民意」とした2市5町の離脱理由も怪しくなっている。
バラバラの東近江、合併の展望
新しい枠組みのシナリオ《上》
愛知川流域での可能性
八日市市を核に4〜5町
東近江地域の合併問題は、第1期を破綻で終え、第2期段階に入ろうとしている。
2市5町の枠組みの段階で八日市市が近江八幡市との合併協議から離脱する判断を下したことにより、2市7町の首長が口をそろえて「東近江は1つ」と言い続けてきた合併は、事実上なくなった。
それでは、現在バラバラ状態の愛東、湖東町を含む2市9町が、これからどのような枠組みを決めていくことが可能なのか。「合併は避けて通れない」との共通認識を持ってどの市町と合併協議を進めていくことができるのか、枠組みだけに絞ってその方向性を探って見た。
各市町が置かれている状況や思惑がそれぞれに違い、枠組みに取り組みむスタンスにも自ずと違いを見せ、4月の市町議選も控える中で、水面下では新たな枠組みへの動きが始まっている。
2市5町の枠組みから単独離脱を決めた八日市市は、地理的に中心地であることから選択肢には恵まれているが、どうしても一緒になりたいとの意志の固い愛東、湖東町とは離れられない間柄になっており、いつでも合併協議は始められる。昨年7月の住民アンケートでも「2市の合併は望まない」との結果が過半数を占めている。
この1市2町に参入することが確実視されるのは隣接の五個荘町だが、町長が交代して行政指揮が混乱しており空席となっている助役、収入役、教育長の人事が決まらないと合併の話には進めない状況にあるが、いずれ正式な参入を申し入れるものと見られる。
また、事実上、八日市市との合併しか選択肢がなくなった永源寺町は、財政面からも東近江の各市町がまちの将来に心配を寄せている。同町は、当初から琵琶湖と県境がつながる広域合併を支持したことから、八日市市と一緒になることは地理的な定めにしても愛東、湖東町のようにことを運ぶには時間が必要と考えられる。
五個荘町と永源寺町が八日市市側に参入すれば、同じ神崎郡として能登川町の参画も十分考えられる。市と郡との枠組みになれば、介護保険や警察署の管轄区域、また、教育行政、消防団など神崎郡としてこれまでの共通財産が継続して生かせる組織上のメリットもある。ただ、能登川町が八日市市側に参入するには、3町合併で気心が知り合えた安土町との関係を無視するわけにはいかない壁がある。
13日には安土町と合同の合併協議会委員の会合を持った。これは、3町合併破綻の反省会ではあったが、同じ破綻の痛みを共有した両町のつながりはさらに深まったと見られることから、能登川町が八日市市側に参入するのなら安土町に相談をかける配慮が必要になる。
ただ、安土町と能登川町の2町での合併の可能性も残されているのに加え、安土町の町議選が4月に控えていることもあり、その結果を見て方向を導き出すことが妥当と見られる。
その安土町は、国道8号線を境に東側は八日市市と西側は近江八幡市との合併を望む声が強く、町を二分している状況に置かれていることから町議選で合併問題が争点になることも考えられる。
議会間では、近江八幡市からの誘いもあり、能登川町との2町か、八日市市側か、近江八幡市側かの3つの選択肢が生まれている。ただ、八日市市側につくと愛東、湖東町が参入することで分離する愛知郡広域行政のリスクを抱え込むことになり、東近江広域行政との2重の課題の解決を将来に残す懸念も募る。
原点に戻って飛び地ではあるが蒲生郡でまとまることもできなくもないが、竜王町が今も「東近江が1つになるのなら参入する」と考えているのか伺えしれない。
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(湖東・八日市市)
河辺いきものの森の最寄り駅として、近江鉄道本線の八日市駅と五個荘駅の中間地点に新駅を計画する八日市市は、基本構想を具体化するためのワークショップをネイチャーセンターで開催している。
毎月一回のペースで開くワークショップは、新駅構想の具体化へ市民と行政が一緒になって考え、アイデアを出し合う場で、新駅計画図の作成や実現方策をまとめることによって、協働による手づくりの駅を目指している。
これまでの会合では、エコステーションの基本構想に基づき、計画予定地の現地ワークから、新駅のコンセプトを「自然の素材を使った、手作りで木のぬくもりと風の音を感じる、わくわく・どきどきの森の入口」と決め、サブコンセプトを「河辺いきものの森のアクセス駅として情報発信できる駅」と「環境(エコ)に配慮した素材を使った駅で、太陽光や水車など自然エネルギーを利用した駅」に求めている。
新駅に必要な施設は、駅舎は屋根の高い木造で、人が寄り付きやすい庇(ひさし)の深い構造ほか、プラットホームには木のベンチや椅子、駅前広場(約八百平方メートル)には常緑樹を植え木陰の確保、森に関する情報の展示施設、木の通路、手づくりモニュメント、予定地の地理的条件(周囲は田んぼだけ、道路より低い)から、現況高を生かしたビオトープとスロープなどにまとめた。
これを受け、先月開いた四回目のワークショップでは、電車が発着する場、乗客が乗り降りする場、待つ(休む)場のほか、エコ(環境)が実感できる場、多様な人が利用できる場(バリアフリーの対応)を基本に、「目に訴えるだけでなく、何か活動できる場」や「駅と広場と道路の一体化」の共通認識に沿って、構想図への具体的な検討が加えられた。
施設整備の大前提となる地盤高(全面道路から一メートル低い)では、現況をいかした整備を行うこととし、二グループに分かれて構想を練った。駅舎の位置がプラットホームに直結してる案と、プラットホームから離れた全面道路際に設置する案が出された。この上で、現況を生かした駅前整備の観点からスロープの勾配を考慮し、駅舎は「ホーム直結が最適」と確認した。
今後は、二案を基に平面図の設計を依頼し、次回(二十八日)のワークショップで、出来上がった平面図案に対し、施設の詳細や配置などについて議論を深め検討していく。
八日市―五個荘駅間(四・四キロ)の中間に設置の新駅エコステーションは、河辺いきものの森の最寄り駅(森まで一・一キロ)として、児童生徒の環境学習や自然体験など、県内外から多くの利用が見込まれ、全国に発信できる「環境こだわり駅」を目指している。
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グルメトレイン内でいただく「ひな御膳」
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(湖東・五個荘町)
すっかりお馴染みとなった近江鉄道(本社・彦根市)の「グルメトレイン」が三月、四日間限定で早春の近江路を走る。
今回は、桃の節句に合わせて春の色合いが美しい「ひな御膳」が登場する。創業二百年の老舗料理店(五個荘町)納屋孫から、胡麻豆腐の柚子みそ、ヨモギ麩の田楽、菜の花と蛤の汁物、鯉の筒煮などが用意され、和菓子にお雛様を型どった雛菓子が添えられる。
出発時刻は午前十一時三十三分、近江鉄道八日市駅から日野駅で折り返し、午後零時五十八分に八日市駅に戻ってくる。下車後は、定期バスで五個荘町へ移動し、開催中の「商家に伝わるひな人形めぐり」を見学する。
同展は、商家に伝わる家宝雛約百セットを一斉公開するもので、座り雛の始まりである「寛永雛」や「享保雛」のほか、唯一、制作者の名前が付けられた「次郎左衛門雛」(京都の人形師・菱屋次郎左衛門)、絵巻風の御殿雛など、希少な雛たちが並んでいる。
料金は、乗車券・料理代・バス代・入館料を含めて四千九百円(税込み)、子ども四千円。運行日は三月五、十二、十九、二十六日の毎週水曜日。毎日とも限定四十八人まで(要予約)。なお、十九日と二十六日はダイヤ改正のため一部時刻変動あり。問い合わせと申し込みは、近江鉄道運輸課(電話0749―22―3303)へ。
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