滋賀報知新聞(ニュース)平成16年1月3日第13680号


市民が出資の共同太陽光発電所が稼働

クリーンな電気を自前で

=八日市やさい村に「太陽の恵み1号」=

「環境へのやさしさ」でつながった八日市やさい村と市民共同発電所
(湖東・八日市市)
 自然エネルギーの導入を進めるボランティア団体「八日市市新エネルギー推進会議」(榎木貞夫会長)と食の安全にこだわった地場野菜直売施設「八日市やさい村」(同市緑町、南治恵村長)は、建物の屋根を利用して、地球温暖化や化石エネルギーの枯渇に対応するため、環境に負荷を与えない太陽光発電システムによる市民共同発電所「太陽の恵み1号」を市民の資金協力と県の補助を受けて昨年暮れに稼働させ、市民レベルでの環境にやさしい新エネルギーの活用と普及への足掛かりをつくった。

 八日市やさい村オープン(昨年四月)に合わせて個人や企業、各種団体などから出資金(一口五万円)や寄付金を募り、市内外から四十六人、八つの団体や企業から出資金二百八十五万円と、県外を含む個人七人と五つの団体や企業から合わせて二十五万三千円の寄付が寄せられ、これに県補助金二百万円を加え、縦一メートル、横一・三メートルの太陽光パネル三十七枚(当初計画三キロワットの約二倍の約六キロワット規模)を設置することができた。

 管理・運営は出資者でつくる運営委員会(杉田薫代表)が行い、発電した電気は関西電力に売却し、収益が出資者に配当される。運営委員会では年間六○○○キロワット以上の発電を予測しており、約十五万円の収益を見込んでいる。

 施設入り口横には、現在の発電量や使用量を示すメーターが誰にでも確認できるよう設置され、説明板の裏側には出資者と寄贈者名の一覧も表示されている。

 愛称の「太陽の恵み1号」は、市民共同発電所もやさい村もともに太陽の恵を受けており、地域にしっかりと根付いてほしいとの願いが込められている。さらに、今後の2号、3号の設置への夢も膨らむ。


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ラバウルの風に乗って餅つき!

安土町東老蘇・大林和美さん

=スローライフに学ぶ本当の豊かさ=

餅つきには全校生徒が集まり、一大イベントに盛り上がった
(湖東・安土町)
 安土町の町民有志でつくった「パプア交流会」が昨秋、パプアニューギニアのセント・メリー高校を訪問し、日本古来の餅つきを集まった生徒たちと一緒に楽しみ、交流を深めた。同校を訪れたのは、山岸金一さん(70)を団長に老蘇小学校の「田んぼの学校」の栽培指導者や前老蘇小校長ら七人。

 高校に二日間滞在し、日本から運んだウス、キネ、蒸し器、そして老蘇小の五年生児童が育てた餅米を持参しての餅つき大会にどんな交流が広がったのだろうか。参加メンバーの一人、大林和美さん(52)のリポートを紹介する。


 ラバウル。その名はとても懐かしい哀愁をこめて心に響いてくる。あの戦争を知らない私達ですら・・・。「ラバウル小唄」を知らない人は少ないだろう。

 ここはかつて戦争のために大勢の日本兵が降り立った島なのだ。私は今、この土地に着陸しようとしていることが不思議な気持だった。十月十九日、快晴。太陽が眩しすぎて慌ててリュックからサングラスを取り出した。

 もともとラバウルとは「マングローブの林」を意味するという。飛行機から見たこの島は、緑が豊かで美しく青い海にぽっかり浮かんでいるようだ。聞けば、バナナやココナッツ、カカオなどのプランテーションだという。農産業が定着しているのだろうか。活火山も見える。山の名前はダブルク山、なんと「花吹山」という日本名もあるのに驚いた。パプア・ニューギニアは、日本からは五、一○○キロメートル成田から空路六時間余りの赤道直下の常夏の島である。高校は、首都ポートモレスビーからローカル便に乗り継いで二時間のラバウルから、さらにガタガタ道をワゴン車に揺られてどこまでも続くバナナやヤシの木々の中を奥へ奥へと四十分も走ったところにあった。

 「親善と交流を深めるため現地に出向いてもちつきイベントをしよう」と、はじめはとんでもないと思われたこのプランも、仲間の熱意とユニークなアイデアの結集で、とうとう実現のものとなった。約一年間の準備期間を費してである。もちは日本を代表するスローフードだ。それは、今もバナナやタロイモを主食としていて、米作りはこれからの課題というこの国の人々にはどんな反応があるかと興味もある。

 やるなら本物をと、道具も昔から伝わる大きな木の臼(うす)に杵(きね)、せいろ、はっぴに豆しぼりなどの衣裳も日本から運び込んだ。もち米は、老蘇小五年生の学習田で収穫したばかりの新米を提供してもらった。この田んぼには田植えが始まる頃から『パプア・ニューギニア・ラバウルへこの米を贈ります』という目標を持って、児童と栽培指導に当たる我々、グリーンファーム老蘇の仲間とで育ててきたものだ。みんなのメッセージもたくさん預かっていた。

 これら一式を運びこむのにラバウルまでの道のりは、そう容易なものではなかった。重さ九十キロ近い木の臼を積み込むときは何度もチェックを受けて手間どる。大きな物体の正体を不思議がられたものだ。

 やっと到着した学校には、緑芝生が広くひろがり、とてつも大きな木がそびえ、ハイビスカスやブーゲンビリアなどが咲き競うその中に、平屋の建物が幾つか並んでいた。そこには、時間がゆっくり流れているようにさえ思われる風景があった。

 高校(男子校)には、この交流会実現のためのかけ橋となってくれた安土町出身の田中君がいる。彼は、海外青年協力隊として、この学校で数学、理科の教鞭をとる先生である。ここには島のあちこちから六百人程の生徒が学んでいると聞く。

 いよいよもちつき本番の日がきた。設備も水も心もとない状況で、果たしてうまくいくかしらとの心配をよそに、もちつきはとても順調に進んだ。大歓迎を受けたのである。

 私達のそれまでの苦労はすぐに喜びに変わった。みんなでヨイショッ!ヨイショッ!と掛け声高くつきあげたもちは格別の味がした。午前と午後に分けて六臼、三十キロものもちをつき終えた頃は、メンバー全員ヘトヘトになったが、やり遂げた充実感でいっぱいの笑顔だった。

 この国は世界で最後の自然の楽園である。文明のゴミに汚されることなく、大切に共存して生きている。私達はここでスローライフの人々に接することができた。そのスタイルは、自然の恵みを必要な分だけいただいて、また土に帰すということだった。品物に溢れ余り溺れている自分の生活を考えさせられた。本当の豊かさとは、幸せなのはどっちなのだと思ってしまう。

 21世紀は自然文化の時代といわれている。その未来をになう子供達には、豊かな心、たくましい心と体をもつ人間に育っていってほしい。そのために今何をするべきかを学習しなければならないのは、私達大人ではないだろうか。私はこの旅で大切なメッセージをもらってきたような気がする。


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KJ法で問題と課題を洗い出す!

協働の「沖島21世紀夢プラン」

=夢への第一歩は、心の中をあからさまにすることから=

島民やボランティアが参加して昨年11月に行われた島の頂上に通じる登山道の整備作業
(湖東・近江八幡市)
 淡水湖に浮かぶ国内唯一の有人島「沖島」の活性化をめざす近江八幡市の「沖島21世紀夢プラン」が、島民と一緒になって進められている。

 湖岸から約二キロほどの島には、島の歴史と共に育てられてきた生活文化が今も大切にされ、島の自治に活かされている。

 市では、画一的な活性化策ではなく、島の独自文化を尊重しながら活性化への課題や問題点を時間をかけて掘り起こし、深層の議論を浮かび上がらせた夢プランづくりをKJ法を用いて進められた。

 今年で三年目に入る夢プランづくり。KJ法だからこそ、浮かび上がって来た議論の核心部分を市の担当職員として夢プランづくりに取り組んでいる企画部政策推進課の深尾甚一郎副主幹(44)が語る。


 沖島の活性化策である「沖島21世紀夢プラン」をKJ法の手法を用いて策定してきた中で、まちづくりについて考えさせられることが多くあった。

 その一つは、夢を実現するためには、みんなの心の中をあからさまにすることをしないと、始まらないことである。

 「机に座っているぐらいなら、汗をかいて仕事をしろ」ということをよく耳にした人が多いと思う。これは、机に座ってすること(会議なども含む)は仕事と意識していないことから出る言葉です。地方分権が進むこれからの地域をよくしていくためには、この「机」の部分が非常に重要になってくる。

ほんとうの実態把握とは

 まちづくりをするために行政は、まずその地域の実態を把握することから始めることになるが、その実態把握が充分でない場合が今まで多かったのではないか。
 行政が、地域の実態を把握するときは、その地域の人口や高齢化率、住環境やインフラ整備、あるいは課題となっていることを代表者から聞き、整理することになる。これらの実態把握は、目で見えることであったり、数字になって表れているもの、あるいは代表者の意見であり、簡単に整理しやすいものである。

 沖島21プラン策定にあたっては、これらの他に、島民(一八七人)一人ひとりの心の中の実態を聞き、それらを漏らさず、云われた言葉でそのまま1枚づつのラベルにした。ダブっているラベルもあったが、実に八○七枚になった。このラベルによって、目に見える実態、数字的な実態を把握することができた。この他に、過去の実証・事件等や、「○○の云ったこと」など、様々な実態(以後「心の中の実態」という)を把握することが出来た。この心の中の実態が本当の実態把握であると感じた。この心の中の実態把握は時間と労力がかかることであり、敬遠されがちである。しかし、意外とこの心の実態の中に重要なものが多く含まれていることがわかった。

思いのズレ

 例えぱ、沖島に空き家が多く発生し、どうすればよいかという問いかけに、あなたであればどのようなアイデアを出すでしょうか。「島の環境のよいところだから、住む人を全国から募集し、空き家に住んでもらう」というようなアイデアを島外者の方々からよく聞きます。

 しかし、心の実態を充分把握していれぱ、このようなアイデアは、簡単には云えないことになる。それは、心の中の実態としてのラベルとして「また沖島に帰るかもしれないという気持ちから売ったり貸したりしない」や「カギをかけなくてもよいほどの治安の良さを守っていきたいから、空き家が出来ても貸さない」というものがあるからである。
 このように「心の中の実態」は、その地域の考え方や生き様といった文化が入っていることに気付いた。

「心の中の実態」から夢が開ける

 6ラウンド累積KJ法の手法を用いて実際に携わった人しかわからない事であるが、この「心の中の実態」を充分に聞き出し、まとめると、その地域の文化を把握することになり、その文化を守りながら、自然に将来の夢が思い浮かびあがり、そして、どうすればよいかの第1歩がわかり始めてくるものである。
 みなさんの地域も住民すべてから「心の中の実態」を出し合い、まとめて、魅力ある地域にしてみませんか。

 元東京工業大学教授で文化人類学者の川喜田二郎氏が考案した創造的問題解決法で、氏のイニシャルからKJ法と呼ばれる。

 議論のテーマについて参加者等から出される意見やアイデア、情報等をカードに書き込み、それらをグループ化して図解していく課程で生まれるテーマを解決するヒントやひらめきを取りあげ、テーマの本質を探る手法。

 様々な発展型が生み出され、まちづくり計画や会議の意見整理、アンケート集約にも使われている。


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JR長浜駅 改築計画が本格化

平成18年秋に湖北の玄関口が開業

体の不自由な人にやさしい設計
=伊吹山を眺望できる青空通路=

エレベーター・エスカレーターがない点や、西口からの利用が不便との意見が多い長浜駅
(湖北・長浜市)
 JR長浜駅舎の改築計画が、平成十八年秋の開業に向けて本格化してきた。長浜市と設計協定を結んだJR西日本は、今年三月までに橋上化改築の実施設計を行ない、夏以降には着工する見通しだ。東口と同様、西口のアクセスが便利になる新しい駅舎は、体の不自由な利用客に配慮したバリアフリー、市民や観光客の集いのスペースを設けるなど、湖北の中心都市・長浜にふさわしい玄関口になりそうだ。

 新駅の特徴のひとつは、屋根も壁もない全国的に珍しい開放型の自由通路で東西口を結ぶ点。自由通路の幅は十三メートルと広く、市民憩いの場になるほか、通路からは伊吹山や琵琶湖の眺めが楽しめる。アクセスが向上する西口には、駅前広場を設けて車両が乗り入れしやすくする。

 体の不自由な利用客にとって、橋上駅で心配なのが階段の昇り降りだが、東西口から自由通路、ホームへの昇り降りがスムーズにできるようにエレベーターとエスカレーターも設置。身障害者用トイレや、人工肛門や人工ぼうこうの人も利用できるオスメイト対応トイレも設ける。

 駅舎改築に関するニーズについては、昨年六月、利用者対象(四百六十人)に同駅周辺でアンケート調査を実施。それによると、駅に必要な機能については、「エレベーターとエスカレーター」(六一・二%)が最も多く、次いで「飲食店や物販」「地域の顔、シンボルになる施設」の順だった。

 具体的な駅舎のイメージについては、「歴史・風格のある駅舎」「レトロな駅舎」「旧長浜駅舎のようなイメージ」「古風なイメージ」と回答し、旧長浜駅舎や黒壁スクエアなどの歴史や文化、周辺環境にあった駅舎を望む意見が多かった。

 アンケートの結果を受けて長浜市の長浜駅舎整備推進担当は、「画一的な駅舎でなく、長浜のイメージをあらわした特色があり、さらに誰でも使いやすい駅舎にしたい」と話している。


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第2の人生は旅情誘う観光船

復活した伝統木造船・丸子船

元ベテラン船長が復元実現に情熱
=江戸時代の風情を乗せて湖上めぐり=

湖上をのんびり周遊する丸子船
(湖西・大津市)
 琵琶湖の伝統的な木造船「丸子船」が復活し、国内では珍しい旧式木造の乗合観光船として、昨秋から大津市の雄琴港を拠点に活躍している。復元を実現したのは、大津市坂本七丁目のまるみ遊船代表で、長年湖上観光に携わった元ベテラン船長三上元則さん(74)。一度は現役を退いた船長と木造船が、湖の風景の素晴らしさを紹介しようと、シルバーパワーでがんばっている。

 丸子船は、琵琶湖でしか見られない伝統的な木造帆船で、江戸時代から戦前にかけて湖上輸送の主役を担ってきた。通称「百石船」と呼ばれ、一俵六十キロの米俵を二百五十俵積むことができた。外見はスマートだが、船内に入ると意外に広くて深く、船底の客席に座ると、湖面が窓のすぐそばに見える。

 「動いてこそ船。現役で動かして、保存維持したい」と三上さんが、この丸子船を買い取ったのは平成十三年十月。知人が五十年前から使っていた現役最後のものを、専門の船大工に頼んで復元を依頼、一昨年十二月に完成にこぎつけた。総トン数は十一トン、長さ十七メートル、旅客定員二十四人。

 琵琶湖の気象は、比良おろしといわれる突風が吹き、とつぜん大荒れになる特異なものだ。三上さんは「過酷な天候でも、帆と櫓でひた走るからすごい。現代の船より航行能力が高い」と思い入れを語り、「私も体力は若いのに負けない。気力が続くまで乗船したい」と意気盛んだ。

 三上さんが、長男亮一さん(44)に操縦を教え、長女則子さん(48)もガイドとして加わる。昨年三月から団体専用の客船として運行し、堅田高や琵琶湖博物館の研修で利用された。今後は団体客だけでなく、個人客も低料金で乗れるよう、近畿運輸局へ事業変更を提出、許可を受けた。

 三上さんは、「琵琶湖にはきれいな風景がたくさん残っているので、なるべく多くの人に紹介したい。そして、乗り込んだお客さんが皆親せきのようになる、人情のある遊覧を楽しんでもらいたい」と張り切り、湖上遊覧の魅力をPRしている。

 なお、乗船するには予約が必要。近江八景や沖島・雄松崎、竹生島巡りなど所要時間一│六時間の五コースを設け、料金は大人三千│一万円、子供千五百│五千五百円。船内サービスとして、茶またはミネラルウォーター、菓子付き。丸子船は岸近くまで接近できるので、沖の白石などダイナミックな風景が楽しめる。

 問い合わせは、まるみ遊船(電話077-579-2265)へ。 

 


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