(湖西・大津市)
山田豊三郎前市長の辞職に伴う大津市長選は十八日告示され、自営業の田中敏雄
氏(62)、元衆院議員の目片信氏(62)、前滋賀県議の藤崎ヨシヲ氏(64)=共産党推薦=、元大津市会議長の竹内照夫氏(47)、前大津市民病院長の木津稔氏(61)、元通産省課長の八幡和郎氏(52)の六人の無所属新人候補が激戦を繰り広げている。
●推薦それとも支援
最近の県内の首長選では、どの政党からも推薦をもらわない市民派候補が当選するケースが増えている。今回の選挙報道では、木津候補を「民主党推薦」とした新聞社もあれば、「支援」とする新聞社もあった。民主党は十三日ごろに、東京において三役会を開き、木津候補の推薦を内定したとされる。それを一部新聞は十六日付けで「民主党が木津氏を推薦」とスクープしたが、山元勉県連代表は事実と異なると電話で抗議したという。朝倉克己県連幹事長は十八日、本紙取材に対し「東京で推薦を決めたが、木津氏から推薦願いが出ていなかったので、正式な決定とはいえないことや、推薦を表に出した方がいいかどうかの判断もあった。事実上は『推薦』であり、そう書いてもらってもかまわない」とした。ところが十九日、同党県連の大林清事務局長は「『支援』で見解を統一したい」と軌道修正した。二転三転した見解の真相は、いずれ明らかになろう。
●市民派か組織候補か
木津候補擁立の最大の立て役者の一人に自民党長等支部長の金井長純前市議がいる。市政に隠然たる力を誇った同氏は「自民党の国会議員や一部県会議員までもが(目片氏に)そっぽを向いているのに、政新会の市会議員だけががんばっても選挙にならない。うちは三万五千票のメドはたっており、最終的には八幡候補との争い。同候補が社民党の支持を受けたのを徹底的に攻撃する」と鼻息が荒い。
八幡陣営の総括責任者の服部正章氏は、金井氏の発言に対し「しがらみのない戦いを続けるために、どの政党の推薦も今回は受けない方針だが、社民党には『支持』を、公明党にも『公開討論会の議論を踏まえ心情的に八幡』としていただき感謝している。ほかに山田耕三郎元市長には応援をしてもらい、河本英典参院議員など自民党国会議員からもためがきを頂くなど、党派を超えた支持を得ている」と反論。
目片候補の十八日の出陣式には、市議十七人、県議三人らが駆けつけた。選対副本部長の中江忠洋市議は「世古正県会副議長は顔も出すとすぐに帰った。国会議員らも顔を出さなかった。私は参院選前に自民党を脱会する」と激怒。中江氏をなだめる市議は「市民病院では、支払った入院治療費を再請求するなど、スキャンダルが発覚しており、木津前医院長の管理能力が問われる」とほこ先を外に向けた。昨年十月、市民病院が市内北部に住む女性に平成十年十二月の入院・治療費を請求したが、領収書が出てきて二重請求が発覚した。他にも似たケースがあるとされ、内部管理の不適正が指摘されている。
藤崎候補はJR膳所駅前で出陣式をおこなったが「通行客から初の女性市長を掲げるなら、助役も女性に」と励まし受けたと話すのは、選対事務所長の森茂樹県議。「平成十年の参院滋賀選挙区で林俊郎氏が大津市で三万五千票を得票しており、これを目標に戦う。まず福祉を充実することが景気をよくすることだと訴えている。うちが二万票の大台を突破すれば、再選挙の公算もある」としている。
竹内候補の出陣式には、世古県議会副議長が顔を出し、波紋を投げかけた。事務局次長の寺田支信氏は「地元の平野学区の市会議員時代の後援会、バレーボール、卓球、バスケット、大津市吹奏楽団など趣味を通じた支持者、団体を核に約八千人の後援会を中心にして、若者に支持を広げている。また推薦は、個人、サークル、企業関係で百近くに上っている」と話していた。
田中候補は、主宰する陶芸関係者らとともに、手作り選挙を繰り広げている。告示日は選挙カーから掲示板を見つけては、ポスターを張りながら「市街地の活性化」を訴えた。「組織も金もない私は、市長選という大きな風車に挑むドンキホーテ。私への一票で、市民の行政参加の姿勢を示してほしい」と直接民主市政を呼びかける。八幡、竹内両氏同様、組織なき市民派の戦いを続けている。
●吹き始めた「新しい風」
八幡、木津、目片の三候補が激しいデッドヒートを繰り広げているが、無党派層が動けば八幡氏、組織力なら木津候補か。それを藤崎、竹内の二候補が追い、田中候補が独自の戦いを展開している。
自治会問題
市政を蝕んでいるとまで言われる自治会の問題について、滋賀報知新聞社では六人の候補者にアンケート調査した。以下は回答である。
田中氏「市自治連合会ではなく、単位自治会と町内会員の皆さんとの話し合いを強めます。各部局ごとに、市民による『市政検討委員会』をつくり、広く市民との対話に努めます」
目片氏「自治会活動は、地域コミュニティの形成のためにも、行政と市民の協働のためにも重要なものです。とくに地域の課題や問題点を解決して、まちづくりを進めるには、市民の参加が不可欠です。自治会には全世帯が参加され、精力的な活動をされるよう期待しています」
藤崎氏「自治会が住民同士の交流や、住環境の改善のために積極的な役割を果すことを期待するとともに、行政に住民要求を実現するよう活動することは当然です。しかし、『迷惑料』や『宴会』などを通じて、自治会の一部幹部と行政が癒着して、行政をゆがめたり、自治会を行政の下請けにすることは、改めるべきです」
竹内氏「行政と市民とのつながりに大きな役割を持つ自治会の存在は大きなものがあると考えている。自治会への加入状況が減少しているが、自治会が行政の補助的役割だけでなく市民がともにまちづくりを行う中心的役割を果すべきである。そのためにも各支所を『まちづくり室』に改めて、その機能強化を図りたい」
木津氏「それぞれの地域にあった安心安全な街づくりのためには住民自治組織は不可欠であり、自治会の存在は、必要です。自主独立の組織として、市と自治会のそれぞれの役割を、活動の範囲を市民の皆様に明示して、たがいに連携を進めていく」
八幡氏「自治組織は歴史の中で民衆の団結の場として、重要な意味を持ってきたが、やはり時代が変わっていますから、新しい仕組みと役割に変えることが不可欠です。行政の下請けや選挙マシーンとしてでなく、公立学校の運営に地域がより発言力を強めるとか、防犯のための地域力を強化することも大事です」
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(湖南・甲西町)
来月十七日告示、同月二十二日投開票の甲西町議会選挙(定員二十人)に向けて、町内では候補者擁立に向けた動きが活発化してきた。滋賀報知新聞社の調査によると、立候補を予定しているのは今のところ、現職十四人、元職一人、新人四人の計十九人で、党派別でみると、無所属十四人、共産三人、公明二人となっている。今年十月に石部町と合併すれば、来年十一月にあらためて選挙が実施されるため、今回の町議選では、出馬を足踏みする傾向がある。そのため、立候補者数が定数内にとどまり、無投票になる可能性が指摘されている。ただし、出馬表明を保留している現職、新人がいるため、選挙戦に向けて予断を許さない情勢だ。数字は年齢。無=無所属。共=共産。公=公明。敬称略。
現職のうち、今期で引退を表明しているのは、仲西一郎73無=四期=(正福寺)、石川孝夫66公=三期=(針)、勝村厚美70無=二期=(岩根)、松本雅子56共=一期=(柑子袋)の四人。
保留しているのは、園田光昭59無=三期=(岩根)、生田邦夫55無=一期=(中央二丁目)の二人。支持者との調整などの関係で、告示直前まで去就表明がもつれこむと見られている。
一方で続投を目指すのは、今井洸一63共=四期=(正福寺)、遠山勝58無=三期=(菩提寺)、立入勲65無=三期=(柑子袋)、矢野進次62無=二期=(三雲)、中村武治64無=一期=(正福寺)、鈴木美智枝62公=一期=(水戸町)、福島清彦61無=一期=(平松)、松山克子59無=一期=(菩提寺)、植中都58無=一期=(北山台一丁目)、上野雅代56無=一期=(三雲)、小西勝徳47共=一期=(柑子袋)、森淳46無=一期=(水戸町)、南守75無=一期=(菩提寺)、松本浩有68無=一期=(菩提寺)の十四人となっている。
元職では、坂田政富59共=党支部役員=(下田)が返り咲きを狙う。
新人で立候補を現在までに表明しているのは、樋渡勝男69無=区長=(菩提寺)、金谷健治57無=不動産業=(菩提寺)、伊地智良雄52無=会社役員=(菩提寺)、鵜飼八千子46公=党甲西支部福祉部長=(菩提寺)の四人。
このほか、議員不在で大票田の旧下田地区は、地元から町議を出す悲願を実現しようと、候補者擁立を図っているものの、難航している。また、中央、三雲の二地区でも新人が立候補を模索している。
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独特の風合いをもつ作品
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(湖南・甲西町)
知的障害者授産施設の社会福祉法人しがらき会「信楽青年寮」は、甲西町立図書館二階展示コーナーで、寮生が丹精こめてつくった陶芸オブジェの作品展を開いている。入場無料。二十五日まで。
信楽青年寮は昭和三十年財団法人として設立され、同四十四年に社会福祉法人しがらき会「信楽青年寮」として再出発。現在は寮生八十四人が、ともに生活や仕事をしている。寮生たちと芸術の関わりをテーマにした記録映画で取り上げられたこともある。
会場には、富増明司さん、土屋雅顕さん、伊藤喜彦さん、酒井清さん、西村巳代治さん、和田利人さんが制作したあんどん、鬼の面、人形など約二百点を展示。感性を自由に開放した作品は、芸術的な刺激を受けるものばかり。
例えば陶製あんどんは、ぐねぐね曲がったラインをもち、側面には灯火がもれるように無数の穴があけられ、まるで海中の珊瑚をイメージさせる幻想的な作風だ。
甲西町立図書館は、「五年前に信楽青年寮の作品展を実施したところ、来館者から大きな反響があったため、開催を求める声に答えて今回の展示を企画した。寮生の自由な発想、表現でつくった作品をぜひ見てほしい」としている。
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