滋賀報知新聞(ニュース)平成18年1月4日(水)第14301号

◆湖南・栗東市◆
みんなの力で守ろう、わが街
パトロールで広がる防犯の輪
=栗東市=

◆東近江・東近江市◆
滋賀文化短期大学の谷口助教授を交え 
あんなまち こんなまち 大好き! 東近江市
=中村市長と学生がフリートーク=


◆東近江・東近江市◆
山・街・作り手結ぶ
永源寺スギファンクラブ
地産地消で保全とまちづくり
=産業の足腰強く=


◆東近江・近江八幡市◆
映画やドラマのロケ支援、まちづくりに
近江八幡の魅力 映像で発信
=独自のFC設立へ始動準備=


◆東近江・近江八幡市◆
「終の栖」へ
テレワーク推進
生活や仕事のスタイル変化に対応
=近江八幡市 トップランナーとして=


◆東近江・日野町◆
記憶をひも解き地域再発見!
日野町鎌掛地区の「ふるさと絵図」作成へ
=NPO法人 蒲生野考現倶楽部が協働で=



みんなの力で守ろう、わが街

パトロールで広がる防犯の輪

=栗東市=

▲パトロールに出かける「シルバーボランティアポリス」のメンバー
◆湖南・栗東市◆

 自主防犯組織が全国的に次々と立ち上げられるなか、栗東市では元気なお年寄りの市民団体「シルバーボランティアポリス」が地域の中心になってがんばっている。自らの手でまちを守ろうと立ち上がったのは、同市小野自治会の六十歳以上の住民約二十人。発足当初、自治会内でとどまっていた自主活動は、周辺地域の防犯意識の高揚につながり、現在では小学校区全域を巻き込む大きな輪に広がっている。同市葉山東小学校学区の防犯リーダー的存在、シルバーボランティアポリスを取材した。

自主防犯組織
小学校などと連携し防犯協議会
地域の環境美化にも一役


 シルバーボランティアポリスは一昨年五月、▽防犯▽不法投棄の防止▽青少年育成│を目的に結成された。パトロールは、日時をきめて実施するのでなく、各メンバーがグループの蛍光ジャンバーと帽子を着用して、都合のよい時間をみて散歩がてらに地域を見回る。

 代表の里内雅次さんは「メンバーは高齢者が多いので活動に派手さはないが、不法投棄が以前と比べて十分の一になるなど実を結びつつある。また、パトロールすることで、不審者への抑止力になるだけでなく、市民の防犯意識の高揚にも役立っている」と自信を深める。

 同グループは昨年八月、地域全体で効果的に防犯に取り組もうと、小野地区で実施していた連携体制を、葉山東小学校区全域に拡大した。防犯協議会には、小学校など公共施設や自治会、企業が参加し、平常は防犯情報の交換、緊急時は通報、連絡などで連携する。

 また、寝屋川市の市立寝屋川北小学校とも交流を深め、情報交換している。同市では、昨年二月に市内で発生した教職員殺傷事件を受け、各小学校に警備員常駐、防犯カメラ設置など安全対策を強化している。それよりも感心したのは、教職員や住民の意識の高さ。

 「施設がしっかりしていても、人間の意識がしっかりしていないとダメ。栗東も少しづつ高めていかないといけない。子どもを守れるのは、大人しかいないから」と里内さんは表情を引き締める。

 子どもを狙った凶悪な事件が全国で相次いだ昨年末、すぐに行動をおこした。
「気づき・考え・行動」が、シルバーボランティアポリスの合い言葉だ。

 関係者と事件発生に備えて対応を確認したほか、通学路で不審者情報のあった場所、見通しの悪い場所を洗い出し、重点的にパトロールするようにした。

 里内さんは「まず身近にできることから実行することが大事。長い人生で学んだ人生経験、広い視野を生かして地域の安全を守りたい」と使命感を燃やしている。


全県大津湖南・甲賀東近江・湖東湖北・湖西中央政界特報社説

今週の運勢おくやみ・お誕生・ご結婚今日の首長交通取締情報リンク
TOP インデックスへ


滋賀文化短期大学の谷口助教授を交え 

あんなまち こんなまち 大好き! 東近江市

=中村市長と学生がフリートーク=

◆東近江・東近江市◆

 東近江市は、旧能登川町と旧蒲生町の間で編入合併が成立し、平成十八年一月一日に「新・東近江市」として再スタートします。総面積は、鈴鹿から琵琶湖までの約三百八十三平方キロメートル(県の約一割)で、高島市・甲賀市に次いで県内三番目の大きな市となり、人口(約十一万七千人)も大津市・草津市に次いで県内三位となります。

 しかし、面積の約六割が山林や田畑で占められているのが現状です。自然を生かすことも大切ですが、市民ニーズにマッチした生活の充実も求められています。そこで、中村功一・東近江市長と滋賀文化短期大学の学生二人とのフリートークを通して、東近江市まちづくりの将来を探ってみたいと思います。コーディネーターを谷口浩志・滋賀文化短期大学(生活文化学科)助教授に務めていただきました。


プロフィール(敬称略)

 中村 功一(なかむら こういち)
 昭和7年3月、東近江市市辺町生まれ。神愛高校(現・八日市高校)卒。県農林部長、政策監を経て八日市市助役に就任。平成6年、八日市市長に初当選。17年2月から東近江市の初代市長。

 谷口 浩志(たにぐち ひろし)
 昭和31年2月、高島市マキノ町生まれ。愛知工業大学建築学科卒。平成13年から滋賀文化短期大学生活文化学科助教授(建築・住環境計画担当)。NPO法人ひとまち政策研究所理事。住民主導の地域開発や水環境と暮らしのかかわりに取り組む。主な著書・地域に生きる環境文化「風に出会う」(サンライズ出版)、市民活動・ネットワーク論と実践「我らネットワーク元気人」(同)など。【東近江市とのかかわり】新市まちづくり計画策定委員会座長、八日市南小学校校区編成審議会会長、まちづくりリーダー養成講座コーディネーター、八日市本町商店街活性化研究会顧問。

 日野 晶厳(ひの あきよし)
 昭和62年3月、吹田市生まれ。大津清陵高校卒。滋賀文化短期大学生活文化学科1回生。趣味・音楽を聴くこと。

 山田 詩織(やまだ しおり)
 昭和62年3月、吹田市生まれ。大津清陵高校卒。滋賀文化短期大学生活文化学科1回生。趣味・音楽を聴くこと。


大地・共生


▲中村 功一市長
 谷口 新・東近江市が誕生しましたが――

 中村 面積は、三百八十平方キロメートルと、名古屋市より広い。そのうち六割が自然じゃないですか。ここに十一万七千人の市民が生活している。無限に広がる大地と、世代を越えた人間が共に生きていくという「大地・共生」が、初代市長として、永遠のテーマだと思っております。

 谷口 素晴らしいテーマですが、その推進策はいかがでしょうか――

 中村 東近江市の環境基本条例の制定でしょう。山とか、田んぼとか、市街地とか、そこに人が暮らす。大地に生き、生かされているとの認識が大切ではないでしょうか。条例の中に、何とか「共生」を盛り込みたい。

日本横断運河


 谷口 鈴鹿から琵琶湖まで大きなまちになるわけですが――

 中村 太平洋と日本海を結ぶ交通の要衝になるんじゃないですか。こんな話があるんです。昔、若狭から琵琶湖、愛知川を上って三重県に通じる「日本横断運河」という構想が浮上し、国へ陳情に出向いたことを思い出します。鈴鹿トンネルの開通で、運河が道路に替わっただけで、交通の要衝に違いありません。

美しく元気なまち


 谷口 自然との共生、それ以外に目指しておられるものは――

 中村 やはり「美しい元気なまち東近江市」でしょう。自然も美しい、琵琶湖も美しい、そこに住んでる若者とか、お年寄りとか、みんなが助け合って生きている姿が美しい。そういった優しい意味を含め、美しい東近江市でありたい。福祉、環境、学校教育など、あらゆる分野で美しいまちづくりが大切ではないでしょうか。

合併後の悩み


▲谷口 浩志助教授
 谷口 合併されて、将来の方向性を決める初代市長の責任は重大だと思います。一番に解決すべきことは――

 中村 やはり、一つのまちとの認識、意識が持てるよう、市民一体感の醸成が急務だと感じております。合併によって旧市町の意識の違いがたくさん見受けられ、これを何とかを早く取り除き解消したい。

 谷口 それには五年、十年かかりますよね。

このまちが好き


 谷口 学生も交えてフリートークにしましょう。ここに住んでいて、どんなまちになってほしい?――

 日野 今のままが良い。あえて変える必要もない。いっぱい遊ぶところも有るし、アルバイトも事欠かない。都会みたいにゴミゴミしていないし、都会ポイところもある。

 山田 まつりが多い。盆おどりとか、大凧まつりとか。みんなが集まって、まちの中で市民が楽しめる、にぎわいのあるところが好き。まちの自慢にもなるし。

 谷口 これは、市長がおっしゃった「共生」に通じると思いますが――

 中村 昔は、お寺や神社を中心として、みんなの集まる機会が多くありました。その行事などがさびれていく中で、安らぎとにぎわいが感じられる東近江市にしたい。子供の教育にとっては、自然との共生を学ぶ里山がポイントになるのでは。

里山保全条例


 谷口 君たちの年代には興味のない分野かも知れないが、里山は自然と人をつなぐ共有スペースであることを学んでほしい――

 中村 里山は、遊びの場所でもあるし、自然を学ぶ場所でもある。ガキ大将がいて教えてくれた。そこには大人が山仕事をしていて危険な場所でなかった。今の子供は、山の手入れをゴミ拾い、清掃と勘違いし、山に仕事があるとは思っていない。もっと人が自然に近づけるように、環境条例に付随して、里山保全条例にも取り組みたい。

 谷口 里山があって人間の生活は続いてきた。いろんなものが簡単に手に入り、自然と人間が分離してしまっている。長い歴史が育んできた自然と向き合うことが子供、若い人たちに必要でしょう。小さい時から進める教育の意味から、里山条例に期待します。

合併の感覚


 谷口 合併して大きなまちになったが、何か変わった?――

 山田 合併した意識はない。生活も変わらないし、暮しの中では、あまり影響がない。しかし、八日市という名前に愛着を感じる。

 日野 合併が嫌というのでなくて、ただ単に、育った八日市が好き。この意識は持ち続けたいが、東近江市になって仲間が増えた気もする。

 中村 中心部に八日市の名前が残っている。高校やインターチェンジ、駅にも残っているし、まったく消えたわけではない。

楽しみは買い物


 中村 滋賀文化短大ができたら、もっと学生さんで八日市駅前がにぎわうと思っていたが、期待外れだった。若者にとって駅前は魅力がないんでしょうか――

 山田 まち遊びは買い物が中心になるのですが、ウインドウ・ショッピングの時は都会に出かける。

▲日野 晶厳さん
 日野 電車に乗って行くのも楽しみの一つ。遊びに行くという気分的なものも手伝っていますが。

 谷口 八日市本町商店街の活性化にもかかわっていますが、もっと若者の声が反映できるといいですね。

失われた地域力


 谷口 地域が持っている力が薄れているように思われますが、これを取り戻す手だてとして、新しく十四地区で「まちづくり協議会」が立ち上げられますが、何か、うまく活用できないものでしょうか――

 中村 協議会も年齢層が高いように思われます。それこそ共生じゃないんですが、ここにいる若い人たちにも参加してもらいたい。合併したといっても、先ほどの話のように、言葉では分かっていても実感がないのが現状です。お年寄りや若者、子供が一緒になって地域を守り、物事を進めて行くことが地域力につながるのではないでしょうか。

家庭の重要性


 谷口 また、家庭の中から共生を実践していける状況が創れればいいんですが――

 中村 家庭は社会生活、共同生活の原点です。一緒に食事しながら話し合ったり、家族との情報交換の場を取り戻さなければ。

 山田 食事しながら学校での出来事をよく話します。

 日野 すれ違いが多く、食事も話もする機会が少ない。

 谷口 君たちから積極的に話しかける努力も必要じゃないかな。親は子どもから話しかけてくれるのをずっと待ってると思うけど。

▲山田 詩織さん
地域とのかかわり


 谷口 若い年代から地域にかかわっていくことが大事だということを理解してほしい。君たち「一斉清掃」って知っている――

 日野・山田 知らない。

 中村 おうちの人がしているからでしょう。しかし、表現する場が無いだけで、助け合う優しい気持ちは持ち合わせているようです。

 谷口 学校では、文化祭や体育祭にしても準備から後始末まで真剣に取り組んでいる。一斉清掃じゃないが、地域に溶け込めば、それなりの力を発揮してくれるだろう。

市長への願い事


 谷口 市長さんに何かお願いしたいことはありますか――

 日野 小さい時から楽しみにしていた延命山の花火がなくなって寂しく残念です。

 山田 もう少し街灯を明るくしてほしい。エネルギーにも関係しますが、身の危険を感じる時もあります。

 中村 いずれも安心・安全につながる問題です。山中での花火は火災の面から危ないとの声が多く、だから場所を変えて行うしかない。一方、街灯は、地域で防犯灯と言うくらいですから要望が強く、すぐにとはいきませんが、明るい街にしたい。

ケーブルテレビ


 谷口 地域の情報ネットワークづくりにケーブルテレビの準備が進められています。インターネットも使えるし、非常に身近で便利なものとして期待がかかりますが――

 中村 東近江市の中で、ケーブルテレビによって市民みんなが同じ情報を持ち合える。まちや地域の出来事を伝え、情報を共有することは、仲良く生活する上で素晴らしいことだと思っております。君たちの大学ともネットワークを組んで、教育現場を各家庭に届けることも可能です。

市長から学生へ


 谷口 最後になりましたが、市長から学生に期待することがあれば――

 市長 大きくなった東近江市を自分の目で見て知ってほしい。見ておくだけでも大きな財産になると思うし、そこから、いろいろな発想が生れる。見て感じたことを素直に表現できることが、君たち若い年代の特権でもある。ぜひとも感じたことを率直に注文して下さい。東近江市には皆さんの若い力が必要です。谷口先生、学生の皆さん、よろしくお願いします。


全県大津湖南・甲賀東近江・湖東湖北・湖西中央政界特報社説

今週の運勢おくやみ・お誕生・ご結婚今日の首長交通取締情報リンク
TOP インデックスへ


山・街・作り手結ぶ

永源寺スギファンクラブ

地産地消で保全とまちづくり
=産業の足腰強く=

◆東近江・東近江市◆

 地区面積の九〇%を森林で占める東近江市永源寺地区には、伐採の適齢期を迎えたスギ・ヒノキ林が広がるが、梁などの大経材にはまだ細く、輸入材などにシェアを奪われている。こうした問題は全国各地でも共通し、地域の木材を地域住民で使おうという「地産地消」の取り組みが広がる中、東近江地域でも、山主と消費者、工務店をつなぐコーディネーター役の「(仮称)永源寺スギファンクラブ」が誕生した。

 永源寺スギは、国土の保全と建築材の安定供給を目的に昭和三十年代から植林され、森林部の三〇%を人工林が占めている。しかし、採算性などから国産材の需要低迷が続き、県産材の流通はわずか一四%。永源寺スギも打撃を受け、林業離れによる荒廃で土砂災害や生態系への悪影響が心配されている。

 こうした問題について近年、環境や産業、教育面から森林を見直し、地域材の利用を促進する「地産地消」が注目され、長野県や和歌山県などでは、地域再生としての森林活用を実施。滋賀県でも「木の香る淡海の家推進モデル事業」として、新築中の県民に県産ヒノキ材を無償提供している。

 そのような中、永源寺スギを使いたい消費者と、使って欲しい山主、森林組合、建築士、工務店が集まり、接点の無かったヤマ側・マチ側・作り手側を結ぶ「(仮称)永源寺スギファンクラブ」がつくられた。

 これは、三者三様に「〜してほしい」という三すくみ状態を脱し、資源の活用と循環型社会を目指す活動で、情報の共有化により三者の関係を上手に循環。伐採から加工までの流れを追いながら、顔の見える関係づくりを築いている。

 さらに昨年から、東近江環境保全ネットワーク(琵琶湖総合保全整備計画に基づく取り組みとして、環境保全活動を行う東近江地域の十三団体で組織)や淡海森林クラブ八日市地区などと連携し、地産地消の重要性を伝える伐採体験ツアーを開く。

 これらに良い刺激を与えているのが、大津市と志賀町の林業、工務店などでつくる「大津の森の木で家を建てよう!プロジェクト」。昨秋には、地域材の民家が完成し、見学会には県内各地の活動メンバーが参加した。

 ファンクラブでは、永源寺スギの付加価値を高めようと、健康・安心の住環境をはじめ、小径木の新たな利用を考案中で、個人宅でも使える小屋やストックハウス等のアイデアを出している。このため、古民家再生の見学会「大きなスギの梁のある家」(彦根市)を開くなど、永源寺スギのファンを増やしている。

 その手伝いとして、事務局を預かる東近江地域振興局森林整備課では「地域材の有効活用は、災害防止や環境保全はもちろん、生産、製材、運送などの需要と供給を生み出し、雇用拡大にもつながる素晴らしい取り組みだと思います」と、誰もが喜ぶまちづくりを目指す。

 また、市内の工務店経営者(53)も「気候に合った地元材は長持ちで、快適空間を保つ優れもの。山を守りながら産業の足腰を強くするものとして期待しています」と話す。

 地域で育て、地域で活用・消費する―、その過程で生まれる「協働」がまちづくりの活力になる。


全県大津湖南・甲賀東近江・湖東湖北・湖西中央政界特報社説

今週の運勢おくやみ・お誕生・ご結婚今日の首長交通取締情報リンク
TOP インデックスへ


映画やドラマのロケ支援、まちづくりに

近江八幡の魅力 映像で発信

=独自のFC設立へ始動準備=

▲時代劇などのロケによく使われている八幡堀
◆東近江・近江八幡市◆

 映画やテレビドラマの中に見なれた風景を見つけたり、一度訪れてみたくなるような心ひかれる風景、自然、町並み、人々に出会うと、作品自体の感動や印象もさらに深まって行く。

 スタジオの中の人工的な再現セットでは引き出せない、ありのままの風景や景観、人々に感動を与える風景や景観、映像に残したい風景や景観、作品の質を引き上げる風景や景観、そんな魅力ある風景や景観は、そのまちの大きな財産だ。

 滋賀県はそんな風景に恵まていることから、数多くの作品にかかわってきた歴史があり、平成十四年四月には撮影のための情報提供や様々な支援を行うフィルム・コミッション(FC)「滋賀ロケーションオフィス」が設立され、さらに需要は増えている。

 県内有数のロケ地の一つとなっている近江八幡市では平成十六年夏に、昭和最強の囲碁棋士、呉清源を描いた中国映画「呉清源」の撮影で、ロケ協力実行委員会を組織して、市をあげて撮影をバックアップ。市内に残る町並みが、昭和の風景としてスクリーンを飾った。

 この経験をもとに、映像を通して市の魅力を国内外にアピールできる絶好の媒体になることに着目し、市内の有志、観光物産・商工産業関係者、まちづくり団体、映像関係者らにより、市独自のFC立ち上げの準備が、そろそろ動き出している。

 市民の中にも、独自のFC設立となれば、現在のロケ受け入れ支援という機能にとどまらず、より自由な活動が展開できるのではないか、そうなれば、市の産業、経済、観光、まちづくりなどにもその効果を展開できるのでは、また、映像に限らず、文学や他の様々な芸術にも広がると、期待の声も多く聞かれる。

 思い出の名場面、感動のシーンに、近江八幡の風景が登場し、観る人々の心にいつまでも焼き付いて、その人がこの地をたずね、実際の風景に出会ったたときに、また新たな感動が心の中に沸き上がるに違いない。


全県大津湖南・甲賀東近江・湖東湖北・湖西中央政界特報社説

今週の運勢おくやみ・お誕生・ご結婚今日の首長交通取締情報リンク
TOP インデックスへ


「終の栖」へテレワーク推進

生活や仕事のスタイル変化に対応

=近江八幡市 トップランナーとして=

▲自宅でテレワークに取り組む市職員
◆東近江・近江八幡市◆

 インターネットの普及・発展が、仕事や生活の形態を変えようとしている。そして、社会では猛スピードで変革が起きている。政府は平成十五年に策定した「e―Japan戦略2」の中で、西暦二〇一〇年のテレワーカー(在宅勤務者)人口を、二〇〇二年の六・一パーセントから、二〇パーセントへ数値目標を大幅に引き上げた。

 民間では、業種によって導入しやすさの違いはあるものの、すでにこの目標をクリアしている企業もある一方で、自治体など公共団体での導入は、一向に進まない。

 そんな中、近江八幡市が自治体としてははじめて、将来のまちづくりを見据え、テレワーク導入に向けた試行に昨年から取り組んでいる。市内に張り巡らされた光ケーブルネットワークを生かして、庁内ではどのように導入・運用すればよいか、課題は何か、また、市内に居住する民間の在宅勤務者に行政としてどのようなサービスが必要なのかを、職員自らの体験を通じて検証している。

 少子高齢化、男女共同参画社会、エネルギー、医療、子育て等の問題を抱える現代社会において、テレワークによる波及効果は見すごせない。

 在宅介護や育児休暇への対応、通勤時間削減による時間の有効活用や通勤減少による渋滞緩和に伴う省エネ・地球温暖化防止、事務所スペース縮小やペーパーレス、諸手続の簡素化とスピードアップ、SOHOなど新産業の創出、兼業農家の後継者確保や若者の市外流出阻止等々。

 職場の拠点は市外でも、実際の勤務と生活の拠点は近江八幡。「終の栖(ついのすみか)」として生涯を送ろうと思ってもらえる将来のまちづくりを見据えたときに、テレワークは欠くことのできない柱の一本になることは間違いない。

 テレワークがあたりまえの社会になりつつあるときに、乗り遅れることはできない。昨年十一月に総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省が設立した産学官からなる「テレワーク推進フォーラム」にも参加(自治体は近江八幡市と千葉県木更津市のみ)し、積極的に民間の視点を取り入れる努力を続けている。

 また、日本テレワーク協会が実施している「2005年度テレワーク推進賞」では、市の取り組みが高く評価され、実施・推進部門で奨励賞を自治体としてはじめて受賞することもできた。

 市では、今年度の試行を受けて、来年度から具体的な事業展開に向けた検討に入る。

 また、テレワーク推進には、住環境の整備も当然欠かせない。その意味でも、「近江八幡の水郷」が国の重要文化的景観の第一号に指定されるなど、風景整備の面でも、「終の栖」に向けた取り組みが続けられている。

 


全県大津湖南・甲賀東近江・湖東湖北・湖西中央政界特報社説

今週の運勢おくやみ・お誕生・ご結婚今日の首長交通取締情報リンク
TOP インデックスへ


記憶をひも解き地域再発見!

日野町鎌掛地区の「ふるさと絵図」作成へ

=NPO法人 蒲生野考現倶楽部が協働で=

▲他地域の完成した心象絵図を身を乗り出して見ながら上田さんの話しに聞き入る鎌掛地区の住民ら(日野町鎌掛のしゃくなげ學校で)
◆東近江・日野町◆

 地域に生きる一人ひとりの体験や心に息づく思い出を一つの絵屏風の中に描く「心象絵図(しんしょうえず)」。滋賀県立大学非常勤講師の上田洋平さん(29)が考案した地域の生活ものがたり絵づくりに、NPO法人蒲生考現倶楽部が、日野町鎌掛地区と協働して今年から本格的に取り組む。

 里山の恵まれた自然環境と歴史文化が色濃く残る鎌掛地区には、里山での体験活動を通して知恵と文化を伝えるNPO法人蒲生野考現倶楽部運営の「しゃくなげ學校」があり、地元住民も協力しながら里山文化の伝承に力を入れている。

 また、里山の賑わいを取り戻そうと、同倶楽部が昨年から「賑わい空間創出プロジェクト」を提案・実行しており、今回の心象絵図もその一つで、地域再生を目指す。

 昨年十二月十日には、しゃくなげ學校で考案者の上田さんが、心象絵図を思い付いた経緯や活発に取り組まれている高島市の状況、自分の研究テーマである地域学とは何かについて講演し、鎌掛地区住民と同倶楽部会員ら約三十人が聞き入った。

 “百聞を一見にする”心象絵図づくりは、五十、八十年前の暮らしぶりや風景を記憶している高齢者を中心に「五感体験アンケート」を実施するところから始まる。

 地域の祭りや行事、生活風俗、地元ならではの食べ物・方言、四季の自然の姿など、住民から寄せられた五感体験データを骨格に、具体的な聞き取り調査を行う。どのエピソードを絵屏風に描いていくかを住民間で決め、地域らしさが表現できる構図の下絵を作り、一場面ずつ描き入れていく。

 上田さんは、「地域の人々が一緒になって作り上げていく過程は、地域の良さや歴史を自然と学び見直すことができる。また、体を使って同じ体験をしている『身識(みしき、上田さんによる造語)』を共有する一つの方法でもある」と語り、「絵図は完成したら終わりではなく、その活用方法が重要だ」と強調した。

 活用例には、絵の中に込められた物語を身振り手振り音楽も交えながら語り継ぐ“絵解き”や子どもたちが絵の中の場面について高齢者に直接インタビューしながら学ぶ“世代交流学習会”などが挙げられる。

 地域で育まれてきた暮らしの知恵や文化が一目で見渡せ、老若男女の対話機会も広げる心象絵図。 同倶楽部しゃくなげ學校の井阪尚司総合プロデューサーは、「聞き取ったことを心象絵図に表現し、この地の里山文化史として記録することは、地域の財産にもなる。次代を担う子どもたちにふるさとの文化として伝えていきたい」と、二年後の完成を目指して鎌掛地区住民と第一歩を踏み出した。

 


全県大津湖南・甲賀東近江・湖東湖北・湖西中央政界特報社説

今週の運勢おくやみ・お誕生・ご結婚今日の首長交通取締情報リンク
TOP インデックスへ