▲バランス感覚を発揮する国松知事
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◆全県◆
●2頭政治の終わり
武村正義元大蔵大臣(さきがけから晩年は民主党)と岩永峯一自民党県連幹事長の二人の力添えで誕生した国松県政は、思わぬアクシデントに見舞われる。師と仰いだ武村氏が病を患って平成十三年八月三日に政界から引退したのだ。二頭政治は終わりを告げ、県議会の勢力地図も塗り替わった。県議会に占める自民党会派の割合は、十一年は五〇%(定数四十八のうち二十四議席)に対し、さきがけ系が自民に吸収されて、十五年四月には六六%(定数四十七のうち三十一議席)に達した。二期目の国松県政は、肥大化する自民党を背景に片肺飛行を余儀なくされていく。
●民間教育長の功罪
“わが世の春”の自民党に冷水を浴びせたのは身内の不祥事だった。同僚の相次ぐ逮捕(表参照)に危機感を抱いた中堅県議らは、保守回帰を強めた。それは県立高校の全県1区制や新しい歴史教科書の採用など、教育行政面で成果をあげていった。これは、十六年四月に民間(松下電器産業子会社)から登用された斎藤俊信県教育長とも無縁ではない。学校現場に競争原理を導入しようとするものだからだ。
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国松県政下での自民県議逮捕一覧(現職、前職、元職)
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松井外文・現職県議15年 6月逮捕(公職選挙法違反容疑)
脇坂 武・前職県議 15年 7月逮捕(収賄容疑)
中川末治・現職県議 15年 8月逮捕(斡旋収賄)
芥川正次・元県議(草津市長)16年 2月逮捕(収賄と公職選挙法違反容疑)
中島 敏・前職県議 16年10月逮捕(偽計入札妨害容疑)
太田正明・現職県議 17年10月逮捕(加重収賄容疑)
(注)松井県議以外は、いずれも自民政調で活躍 |
●全県1区で南高北低
「全県1区は、実は有力県議がわが子を膳所高校に入れたいとの思いがきっかけだった」(県教委職員)との説もある。これまでは地域性を重視して湖北、湖東、甲賀、湖南、大津、湖西の六通学区域制だったのを、十八年度から全県1区として進学校の学力をさらに高めて学校間の格差づけを進めていくことになった。しかし、この三日の県立高校入学試験の出願倍率では、湖北地域の各高校が軒並みダウンしたのに対し、湖南地域(大津地域を除く)の各校は軒並みアップするなど“南高北低”が顕著だ。さらに十八年度から県立河瀬(彦根市)の中高一貫の中学校で、扶桑社の「新しい歴史教科書」が採択されるなど、保守化の流れは加速している。
●したたかな県政運営
二月に開催された山田亘宏・守山市長の後援会パーティーで、自民党の有力中堅県議は「自民党政調は、いままでは県にただ予算を要望をしていたが、来年度からは
われわれが予算や政策を提案していく」と不敵な笑みを浮かべた。地方自治法上では予算案の提案権は知事などの首長に専属しているが、全国都道府県議会議長会の都道府県制度研究会の改革案のように予算の提案権も首長及び議員の双方にあってもよいとの考え方があるからだ。県予算の提案権を事実上握って知事の傀儡(かいらい)化を目指すのだろうか。
戦争遺児として日本遺族会青壮年部中央執行委員長を務めたこともある国松知事は“右”に軸足を移しながら、その一方で改革派知事として「武村遺産」の環境と福祉を守るという“ギリギリの綱渡り”を続けている。このような中、共産党などでつくる「県民本位の滋賀民主県政の会」は十一日、新幹線栗東新駅建設の是非を問う住民投票条例制定を求めた代表請求者の辻義則氏(59)に立候補を要請した。辻氏が二十一日に出馬表明すれば、環境問題に明るい京都精華大学の女性教授擁立の動きが沈静化する可能性もある。いずれにせよ知事選は新局面に突入してきたのは確かだ。
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