参院選
ターゲットは農業票!
=政策巡ってビラ合戦=
▲複合経営を目指す沢さんは栗東特産のいちじくづくりにも取り組んでいる。3年目の今年、赤字を脱することはできそうだ
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参院選の農業政策を巡って、自民と民主のビラ合戦が激化し、そこへ共産が割って入る構図となっている。民主が、自民支持層である農業票に食い込もうと「自民政権が続けば日本の農家は壊滅する」と攻めれば、自民は「デタラメな民主党農政」とやり返す。現状はどうなのか。米づくり農家を取材した。
どうなる?湖国の兼業農家
「国は、小規模農家の米づくりをやめろといわんがばかりだ」。政府が十九年産農産物から実施する品目横断的経営安定対策に対して、数年前に企業を退職し農業を営む栗東市六地蔵・沢昌秀さん(64)は不満を感じている。
この制度は、国際競争力の強化に向けて、米・麦・大豆など五品目について四ヘクタール以上の農家に支援を集中し、国内農業の平均規模を拡大しようとするもの。
▲自民(左)、民主が配布しているビラ
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沢さんが耕作する田んぼは、一町五反(約一・四八ヘクタール)で対象外。ただし、二十ヘクタール以上の集落営農に参加すれば、小規模農家も支援を受けることができる。しかし、地元の集落営農は大豆、麦の二品目だけで、水稲は実施していない。
担い手の高齢化は六地蔵地区も例外でなく、六十│七十歳代が中心。六十歳半ばで最年少の沢さんは、高齢で作業ができない三世帯分を請け負うが、「このまま後継者不足が進めば、耕作放棄した荒れ地が増える」と将来の不安を口にする。
ちなみに、滋賀農政事務所によると、五月三十一日現在の品目横断的経営安定対策の申請状況は、認定農業者が八百五十九件(作付計画面積六千四百八十一ヘクタール)、集落営農が三百八十三件(同千二百九十ヘクタール)で、県全体の水稲作付面積約三万五千三百ヘクタールのうち二二%にとどまる。
焦点の財源問題で激しい論戦
民主新人・徳永久志候補(44)は、安い外国産が輸入されても、全ての農家の所得を補償する「所得補償制度」導入を掲げ、生産費と市場価格の差額を支払うと主張する。同陣営の朝倉克己・事務長は「国が支援する四ヘクタール以上の農家は全体のひとつまみ」としている。
しかし、民主案の財源について自民現職・山下英利候補(54)陣営の家森茂樹・党滋賀県連政調会長は「民主は支払い総額一兆円、必要に応じて拡大するとしているが、これだけの農業政策を掲げるのであれば、予算総額について試算と予算措置、財源など具体的な手法を詳細に提示しなければ、非農家の理解を得ることができない」とバラマキを批判している。
さらに、共産新人・坪田五久男候補(48)陣営の川内卓事務局長も「自由貿易で経営が成り立たなくなった農家を支援しても、いくら予算があっても足りず財政的負担は莫大だ」と指摘している。
記者の目
農業で大切なのは、担い手がつくり続けることができ、そして消費者が安心して口にできること。ところが米づくりの現場では、担い手不足やコスト問題でつくり続けることが困難になってきている。今後、国内の食料自給率四割の維持さえ危ういもので、食の安全・安心が揺らぎかねない。消費者にとって他人事でなく、農業産業に対して何らかの形で関わっていくことも必要かもしれない。
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