滋賀報知新聞(社説)
「ワシはもう歳やから、今さら…」とか「機械は苦手で、難しいことは分からへんので、携帯電話は使わへん」と言っていられる時代は、あと少しで終わりを迎えるかもしれない。
総務省が、拡大している情報化社会から取り残されないよう地方のお年寄りに携帯電話を活用して通話や生活情報を提供するサービス「ふるさとケータイ」事業を検討している。
地方に新しい情報産業を創出して活性化を図り、情報社会の格差をなくそうという政府の「IT地域活性化等緊急プログラム」の一つで、財政支援も行う考えだという。
具体的には、お年寄り向けの新しい携帯電話で、オペレーターを介して通信相手を呼び出したり、専用ボタンを押せば救急車を呼べる、メールで独居老人の安全や健康を守るサービスが可能になるという。
複雑な流行の携帯電話と違い、機械に苦手な人にでもより簡単に使える機種の開発が見込まれるが、このサービスが始まると使わない人と使う人の高齢者の間でさらに情報の差別化が進んでしまうかもしれない。
総務省では、アメリカでの成功例から日本でもお年寄りに特化した携帯電話のサービスに需要があるとみており、実証実験も行うほど事業化に意欲を示している。
携帯電話は、年代別の利用方法や社会需要に合わせた方向に分化していく中、お年寄りにもっと操作しやすく、低料金で利用できる新商品の登場が望まれる。
内閣府から内閣支持率の報道自粛要請が出ているのかと疑ったぐらい静かだった内閣支持率が最近やっと報道されるようになった。
調べれば九月末の就任直後の支持率は福田内閣の発足直後の約五八%を大きく下回ったが約四八%、十月には約四〇%、そして十一月中旬には約二二%まで落ち込み、反対に「支持しない」と回答したのは十月の約三九%から大きく約六七%と急増した。
福田内閣が退陣に追い込まれた危険水域ともいえる支持率二〇%割れは目前であり、温厚で争いごとを嫌った福田前首相は辞任の道を選択した。
与党は元気印の旗頭ともいえる麻生首相を誕生させたが、衆議院を解散し総選挙を行う選挙管理内閣として選ばれたにもかかわらず、世界の経済危機に接して「景気回復が最優先だ」として解散先送りという道を選んだ。
まともな景気対策が打てずにずるずると今に至っており、総選挙に勝算がますます見えにくくなり解散しにくい状況が続くというスパイラルに落ち込んでいる。
意気込んで臨んだ党首討論も一国の首相として国の未来像や夢を語らず、ただ野党の審議拒否や採決拒否の批判に終わるばかりで、とうとう現状に陥った責任は野党にあると責任転嫁するる始末だ。
与党内でも不満が噴出す中、この事態を収拾するには与野党が協調して「解散総選挙」を宣言するしかないであろう。
あまりにも選挙に勝つことを意識し過ぎることは、国民不在だといえる。
栗東市のRDエンジニアリング社の産廃処分場に対する県の汚染対策案について、周辺七自治会のうち、北尾団地自治会が初めて同意の意向を示したことで、緊迫した事態を迎えている。
これまでに、中浮気など四自治会が処分場を遮水壁で囲んで現地処理する県の対策工法に「同意しない」と回答していた。筆者が県幹部に対して「対策工法を見直すべきではないか」と質したところ、「オセロゲームをご存知か。黒(県に反対)の石が例え五つ並んでも、その両端を白(同意)の石で押さえれば、黒の石は白にひっくり返せる」と高笑いだった。県の“オセロ作戦”として、北尾団地に続き、小野自治会が同意に回る可能性があるというのだ。
ある市議会議員は「国松正一市長は国の産廃特措法の期限が迫っていることを口実に、今月内に県案に同意すると見られる。市土地開発公社が今年度末までに市に四十七億円の返済が出来なければ財政再建団体になる可能性があることや、区画整理事業の地権者の補償問題などで県から支援を仰がねばならない国松市長は、RD問題では県案を丸のみするのでは。しかし実際は四十七億円の借入れは農協が内定しているとの見方が有力で、そうなると市長の支持者が多い新幹線の地権者のためにRD問題を切り捨てるのが真相と勘ぐりたくなる」と危惧する。地下水を水道水源にする市民の命と引き換えに、国松市長がそのような暴挙を行うはずがないと信じたい。
東近江市が財政難を少しでも切り抜ける方策として市民課の窓口に置いている各種証明書類を入れる封筒の製作費を広告代で賄おうと、広告を出してもらえる企業を募集。先月二十八日で締め切ったが、企業からの応募どころか、一件の問い合わせもなく、不調に終わった。
市のPRの仕方が不十分だったこともあろうが、それ以上に企業の業績の冷え込みは市内でも深刻になっていることが伺える。
市の計画によれば年間に必要な封筒十二万枚の製作費十三万円を、企業広告費で賄い、公費からの持ち出しをなくして少しでも財源の留保に務めようという狙いだった。
本庁市民課の窓口には、一日平均約二百人の市民が訪れ、証明書類が交付されているが、すべての人が封筒を使う訳でなく、持参したファイルに挟んだり、「いりません」と断って帰る人もあるという。
こうした封筒は、あるにこしたことはないが、別になくても困ることでもない。窓口に常置しているものも含め、もらっても捨ててしまうだけの封筒はこの際、廃止してもいいのではないだろうか。
買い物袋もマイバッグになっているご時世。市民にムダを省くエコ意識の高揚と使わなくてもいいものは支出しない公費の削減徹底に一役買うと考えるがどうだろう。
未だに公務員の裏金作りの話を聞く。
帳簿上には全く形跡さえ残さず巧妙に裏金を作る。
代々伝わってきた手法らしいがその努力を地方自治に注げば地方自治はもっと豊かになるだろうと嘆き声さえ聞こえてくる。
市民にとって目的以外に予算執行して作り出す裏金は業務上横領と思えるが、現行法の「業務上横領罪」に問えない面がある。
それは罪状が成立するには「他者のものを自分のものとして利用する意思があること」が要件となっているからだ。
だから予算や補助金を業者に「預け」たりして作り出された裏金を私的に流用しなければ罪に問えないという何とも不条理な法律である。
簡単な例として、会社が業務遂行のために従業員にノートパソコンを貸与している場合に、社員が休日にこれを自宅に持ち帰り私的に利用した時でも犯罪が成立する判例があり、業務上横領罪として十年以下の懲役に処する刑罰を受けることになる。
先月末に公務員の不正な会計処理に罰則を設ける「(仮称)不正経理防止法案」が与党によって明らかにされ、単に裏金作りのみならず支出先に虚偽の請求書や領収書を要求した行為でも罰則の対象とし、懲役五年以下もしくは百万円以下の罰金としている。
相次ぐ不祥事に法案作りが遅すぎた感があり、この法案は如何に国会が紛糾しようとも早急に成立を図りたいものだ。
数年さかのぼって適用しても良いくらいの法案である。
公務員さん、あなたの机の中には「裏金」はないでしょうね。
県は、地球温暖化の原因になるCO2(二酸化炭素)の排出削減を推進するプログラム「みるエコおうみ」を開始した。各家庭が専用のホームページ(http://www.biwaco2.jp/)に電力やガスの使用量、省エネの取り組みなどを記録すると、成果を上げればエコバッグ、文房具などといった環境関連グッズがもらえる。二か月間以上の参加が必要で、ホームページの引換券を印刷して、来年三月一日から三十一日までの間に所定の店舗で環境関連グッズと交換する。
各家庭でCO2がどれだけ削減されたかがホームページで分かることにより、温暖化問題を「自分のこと」としてとらえてもらおうというものだ。このプログラムに五万世帯が取り組むと、年間で約五万五千トンの削減になるという。ちなみに県は、二〇三〇年におけるCO2等の排出量として、一九九〇年比五〇%削減を打ち出している。これを達成しようとすると、排出削減量は八百六万トンにのぼる。このうち「家庭」が一四%を占めるだけに、すぐにでも出来るCO2削減として、今回の「みるエコおうみ」は高く評価できる。
しかし、「産業」や「旅客輸送」は、排出削減量の二割強をそれぞれ占めている。それだけに、県は、五〇%削減の行動計画の策定とそれに伴う市町との連携をもっと急ぐべきであろう。地球温暖化は、まさに“待ったなし”だからだ。
政府は景気後退で税収が大幅に落ち込む対策としてたばこ税の引き上げを検討しているという。
一箱千円との試算も示されたというが、結局は六百円ではどうかという議論も台頭している。
たとえ六百円にしても現行価格の約二倍に跳ね上がる。健康への害を訴える団体やたばこの煙を嫌う人々からは、大幅な価格アップで禁煙する人が増えることに期待を寄せる声もあるが、愛煙家からすると取れるところから取るという不公平感が渦巻く。
政府は、たばこを値上げしても禁煙家は心配するほど減らないと言う思惑があるのかもしれない。
政府に、病気の原因になると明記されたたばこの害から、国民の健康を守る深い認識があるのなら、禁煙に結びつく効果的な施策を求めたい。ヘビースモーカーと言われる人々は、極度のニコチン依存症に病んでいるのではないか。多量の喫煙は、一種の病気と考えるべきで、たばこの増税の一部を禁煙を支援し、国民の健康を守る施策に使い、膨らんでいる医療保険費を軽減する議論が聞きたい。
定額給付金を支給する条件として麻生太郎首相は消費税の引き上げ時期について「経済が2年でうまくいったら2年後に出す。3年たってうまくいっていなければ、その段階で考える」と述べた。
国民にとっては景気対策としての政策発表を聞くと同時に全く論議されていない消費税引き上げの時期を聞かされた。
国民の多数が給付金は景気対策にならないという認識が広まる中、給付金という「飴」と消費税引き上げという「ムチ」だと国民の多くは感じたに違いない。
この発言には連立を組む公明党にとって何ら相談もなかった様で驚きだったろう。
このような状況での景気対策に名を借りた「給付金」は時期を逸したばら撒き金であり、その複雑な取り扱いを地方分権だとして地方自治体に丸投げするとはなんともお粗末な結末に終わりそうだ。
世界の金融危機や円高を克服するには徹底した内需拡大が必要であり、特に輸出産業にとっては内需に頼るしか道はないとも言える。
現在の消費税五%は国税である消費税が四%、地方消費税が一%である。
そのうち国税の消費税は二十年予算では年間約十一兆円、二ヶ月で約一兆八千億円である。
国民に理解が得られない「給付金」を約二兆円使うのなら、二ヶ月間約一兆八千億円の国税分の消費税をゼロにすれば所得格差など考えずに広く公平に減税が出来て、消費税ゼロのために消費も拡大するだろう。
消費税を引き上げることよりも限定的に引き下げることを試算してみてはよいのではないだろうか。
元厚生事務次官宅が連続して襲われて死傷した事件は、官僚をターゲットにしたテロとして衝撃を与えている。二人の元次官は、現在の年金の骨格となる「基礎的年金制度」導入に取り組んできただけに、「年金テロ」との見方もある。
わざわざ元次官宅を調べて襲撃するという手の込んだ犯行は、秋葉原殺傷事件のような自暴自棄の無差別殺人とは明らかに違う。しかし冷静に考えれば、例え元次官を殺傷しても、それで日本の官僚機構がぐらつくことがないのは明白であり、やはり稚拙な愉快犯かもしれない。官僚機構を本当に変えようとするなら、官僚を使う政治家を「選挙」で変える以外にない。暴力やテロに訴えるなど、愚の骨頂だ。
トヨタ自動車の奥田碩相談役は先日、「(メディアは)朝から晩まで厚労省を批判しているが、異常だ。なにか報復でもしてやろうか。例えばスポンサーにならないとか」と発言して物議をかもした。同氏に同調するご仁なら、今回の事件について「だから言っただろ。犯人の火付け役は厚労省を叩いたメディアだ」とおっしゃるかもしれない。だが消された年金問題は、国民のためにきちんと論議すべきであり、今回の事件でメディアが萎縮する必要などさらさらない。いまのような殺伐とした格差社会を招いた大企業の経営者責任こそ、問われるべきだ。
世界各地で発生している鳥インフルエンザが人に感染して変化した新型インフルエンザが、国境を越え人から人への感染が広がっていく大流行が危惧されている。
新型インフルエンザウィルスは、まだ誰も見たことのない未知の病原である故、ワクチンが開発できず、今のところ、感染の未然防止に努めるしかない。
しかし、誰も免疫を持たないので、一旦、一定の感染に広まると拡大を遅らせることはできても、止めることは難しく世界大流行になると予測されている。
日本にウィルスが持ち込まれ、人から人への感染が始まると人口の四分の一が感染し、最大で二千五百万人が医療機関を受診して大混乱を招き、十七〜六十万人が死亡すると推定されている。三十九万人が死亡したとされるスペインインフルエンザ(一九一八〜一九年)の経験がある。
東近江市では、最大三万人が感染し、約千九百二十人が入院、死者は六百人になるとのデータが示されている。
このため市では、厚生労働省の対策マニュアルに沿って市民への被害を最小限にくい止める行動計画を策定する検討を始めた。
個人の対策としては、ウィルスに負けない体力を維持すると共に新型ウィルス用に開発されたマスク(N95マスク)の着用が効果があると言われている。いまから、準備をしておいても早くはない。
選挙内閣と言われた麻生政権が景気対策を政府や与党と詳細まで論議せずに政策を発表し、国民や野党のみならず与党内からも非難が生じ混乱を来たしている。
「まずは景気回復だ」と解散総選挙の時期を幾度となく先送りしているが、日を追うごとに内閣支持率は下がり続けている。
いくら先延ばししても来年九月には任期満了となるが、この状態が続くと最低の支持率で総選挙を迎えることになり、連立政権を組んでいる公明党からの選挙協力は受けにくくなるかもしれない。
与党内の若手議員の中には民主党の一部の議員と新たなる枠組みを目指す声も聞かれる。
四、五年前に自民党のある集会で「自民党の将来像について」前参議院議員の山下英利氏や前衆議院議員の小西理氏などに尋ねたところ「組織が大きすぎてなかなか若手の意見は通らない。将来は新しい枠組みが必要になるだろう」と今の政局を見通したかのような答えが返ってきたことを思い出した。
やはり当時から議員の心底には新しい枠組みを求める声があったといえよう。
しかし、この様な「町内会的な政局」がいつまで続くのやら。
選挙の優劣の鍵を握るといわれている浮動票層の有権者もすっかり冷めてしまっている。
前回の総選挙は「郵政民営化否決に伴う解散総選挙」だったが、今回は「定額給付金など景気対策失敗に伴う解散総選挙」になるかもしれない。
ワクワクするキャンペーンがある。(株)伊藤園(本社・東京・本庄八郎社長)が一日から開始した「お茶で琵琶湖を美しく。」キャンペーンがそれだ。同社の日本茶飲料商品の売上の一部を滋賀県が推進している琵琶湖のヨシの保全活動に寄付をしようとするもの。TV―CMには、滋賀県出身の写真家・今森光彦さんの代表的な琵琶湖の風景写真を使用し、関西出身の笑福亭鶴瓶さんがナレーターを務める。期間は、来年一月三十一日までとなっている。
もっとも、このような試みは、地元企業では早くから行われてきた。東近江市のヒトミワイナリーでは今春から、琵琶湖の環境保全事業事業への三%寄付ワインを発売している。またヨシといえば、愛荘町のコクヨ工業滋賀が平成十九年から、琵琶湖のヨシを使用した紙製品を販売中だ。このように県内外の企業が琵琶湖の環境保全に貢献しようとする事例は、枚挙にいとまがない。
県環境政策課は「最近は、琵琶湖の保全にために寄付をしたいと、いろんな企業や個人から県に話がある。環境学者の嘉田由紀子知事の登場で滋賀の注目度が高まったことや、居住地以外の県や市町村に寄付すると住民税などが軽減される『ふるさと納税』の影響では」という。もっと県はこのビジネスチャンスを活かすべきだ。それにしても、今森さんの琵琶湖の写真には凄みがある。ぜひとも県には、歌手の西川貴教さんに続き、同氏を「滋賀ふるさと大使」に任命してもらいたいものだ。
政府は、沈下した日本経済の追加景気対策として国民一人当たり一万二千円の現金を配る「定額給付金」を支給することを決めた。
議論を呼んだ高額所得者への支給については、所得千八百万円以上の人には、自発的に受け取りを辞退するよう促すというが、もらってもいい、もらわなくてもいいという税金の曖昧な使われ方に疑問が残る。
実は、経済対策なのか、生活支援なのかも曖昧で、両方を論じている閣僚もいる。経済対策なら国民すべてに支給して、二兆円といわれる投入額を全額使われるシステムが必要だろう。
生活支援か、経済対策かの議論に決着をつけられなかったことから、政府は、結局、所得千八百万円以上の人に給付をするか、しないかの判断を地方自治体に押しつけてきたことは、あまりにも自らの施策に無責任と言わざるを得ない。
九年前の地域振興券も期待されたほどの経済効果を生まなかった。果たして定額給付金が、どれだけ日本経済の活性化に貢献するのか疑問でもある。要求がないのに手渡したお金は、結局、活かされずになくなってしまう場合が多い。
支給時期は未定だが、衆議院の解散総選挙に合わせての実施になるのでは、と勘ぐりたくなる。
九月中旬に米国大手証券会社であるリーマン・ブラザーズが破産法の適用を申請したことに発して、世界中に金融危機が駆け巡り株価の暴落や大幅な円高などにより一気に景気が失速してしまった。
政府は「衆院を解散して早急に民意を問うべし」という声を無視して、「景気が大切だ」といって急きょ様々な景気対策を講じ始めている。
追加景気対策としては国民に最も身近な策に「減税」があり、当初自民党は「定率減税」を主張して公明党の主張する「定額減税」と意見がぶつかったが、今や公明党に頼らなければ選挙を戦えない自民党は結局「定額減税」で妥協した。
その後、「定額減税」では国民に現実感が希薄で消費に結びつかないとして定額給付金を支給する策へと変わった。
その時点で減税という表現が給付金へと変わったがその原資は国民が支払った税金だ。
だから「税金を返す」と表現してもおかしくはなく、給付とは詭弁だ。
更に給付するに当たり高額所得者には効果がないだろうと「年収一千五百万円以下を対象とする」としたが、その根拠が全く不可解であり、所得調査が困難なために本人の申告によるところも理解しがたい。
むしろ本当に手を差し伸べてほしい所得層は年収二百万円以下で約十九パーセント、三百万円以下とすれば約三十一パーセントではないだろうか。
日を追うごとに減税の方法や支給基準がコロコロ変わるようでは筋の通った政策とは言えないだろう。
国民には選挙前の金のバラマキにしか映らない政策だ。
栗東市議会のほぼ全員の議員が七日、県庁に田口宇一郎副知事を訪ねて、RD産廃処分場問題で「住民の合意と納得に努めてほしい」とした六月市議会の決議を尊重するよう要請した。また県が四日、周辺自治会に、十日までに処分場を遮水(しゃすい)壁で囲んで処分場内で処理する対策に合意するかどうかの回答を求めたことに対し、回答期限を延長すべきと要請した。だが田口副知事は「国の産廃特措法に乗せようとすれば、ぎりぎりの日程」と訴えた。
さらに同日、市民団体の有志らは、県が周辺自治会に配った説明文書の中で、市調査委員会が提案している粘土層の修復案が「産廃特措法には制度的に無理」としているのは、事実と異なるとして訂正を求めた。
このように、合意を得るためには、なりふりかまわない県の姿勢が透けて見えてくる。地元が合意しなければ、国松正一市長の同意を取り付けて見切り発車する可能性も出てきた。だが汚染対策は、だれのためにやるのか。嘉田知事のためか、国松市長のためか、市民のためか、答えは明白だ。先日、米国大統領選で当選した民主党のオバマ氏は「『人民の人民による人民のための政治』は、まだ滅びていない」とリンカーン大統領が演説で引用した言葉で勝利宣言したが、嘉田知事や国松市長にも同じ言葉を返そう。「『市民の市民による市民のための政治は、もう滅んでしまったのか」と。
東近江市は、市職員を民間企業に派遣する研修を三年前から行っている。
近い将来、職場のリーダーとなるであろう概ね三○〜四○歳の中堅職員を対象に五日間、企業の職場で仕事を体験する。各部局から一人ずつ選ばれ、今年度は、十月〜十一月の間に九人が派遣されている。
派遣研修を終えると、リポートを提出し、職員向けの庁内広報に掲載され多くの職員の目に触れ、市民の目線に立った行政サービスの向上につなげていこうという狙いがある。
この取り組みは、業務の効率化や創意工夫など、職員の意識改革や能力アップを図ることにも重点があるが、果たして、そうした成果が職務の中で認められ、活かされている環境が備わっているだろうか。
研修成果が実践されるには、研修した職員が、これは業務に活かせると考えたことが、職場で受け入れられる雰囲気があることが重要である。その雰囲気は、周りの職員が研修をどう受け止めているかによっても濃淡があるだろう。この点は、研修の成果が市民への行政サービスに反映されるかを左右するポイントではないか。
一個人の職員が、上司からの命令で行かされる?という思いを持って研修に行くより、職場を統括する管理職やグループリーダーが研修を受け、その成果を部下や仲間に伝え、職員全員の意識改革を目指した方が、目的の達成が早いのではないだろうか。
滋賀県は工事請負契約に係る低入札価格調査基準および最低制限価格を見直し十月一日以降に入札公告を行う工事から適用したが、その落札の下限の目安となる「調査基準価格」を二〇〇六年二月に業者に漏えいした贈収賄疑惑で関係者が逮捕された。
地方自治体では土木、建築などの工事を入札により請負契約業者を決定する際に、事前に入札価格の参考となる「予定価格」が提示される。
この価格が上限価格となり、下限価格として「予定価格」から算出された「最低制限価格」あるいは「低入札価格調査基準」が設定されるがこの価格は非公開となる。
下限価格を下回れば失格になるので受注したい業者は下限価格を手探りすることになり、これはあたかもくじを当てる様なことだ。
以前は受注調整(談合)等により予定価格に非常に近い予定価格の九十%程度で落札していたが、工事量の減少に伴いともすれば赤字となる採算ラインすれすれの下限価格に近い金額で応札しなければ受注できない状況に、工業界は直面している。
ここで注目したいのは幾つかの工事で安く見積もりすぎて下限価格以下の金額で応札して失格となっている事例が数多く見受けられることだ。
「予定価格」に近い金額で落札することなど過去のことで、業者は必死になって薄利である下限価格を探し続けているのが現状だ。
一部の自治体でも実施しているように下限価格も公開すれば醜いことも起こらないだろう。
更に公開することにより同価格の場合は抽選となるだろうが、「同価格ならば地元業者優先する」のひと言を付け加えれば必ず地元に納税をしている地元業者が受注する。
疲弊した地域経済を立て直すためにも思い切った措置を望みたい。
県は先月三十一日、がん診療のまとめ役となる「都道府県がん診療連携拠点病院」に、県立成人病センター(守山市)を厚生労働省に推薦した。県は昨年、成人病センターと滋賀医科大付属病院(大津市)の二病院を推薦したが、厚労省から病院を一つにするよう突き返えされた。このため、県は再び絞り込みを進めた。
今回、県が成人病センターに決めた理由として〇1平成十四年に地域がん拠点病院になり、湖南地域の研修、医療連携をコーディネイト〇2全国がんセンター協議会に加盟して研究事業に参加していた――実績を挙げている。しかし、このような理由だけで、県の医療リーダーである滋賀医大をあえてはずしたのは納得できない。
ちなみに成人病センターの医師の大半は、京都大学付属病院出身者だ。昨今にように、医師不足の中、全国に医師を派遣している京大が成人病センターに優先して医師を派遣してくれる保証はない。それに反して、県が滋賀医大をしっかりと支援すれば、優先的に同大学の医師が確保できる。どちらが得か、損か、だれが考えても一目瞭然である。県はこれまで、成人病センターに多額の投資を行ってきただけに、なんとか経営改善を図りたいという思いが強いだろう。しかし、がん診療拠点病院をどこにするかは、県の医療・福祉全体にかかわる問題でもある。なぜ県が成人病センターに決めたのか、しっかりと説明責任を果たして欲しい。