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滋賀市民新聞(中央政界特報)

平成20年11月18日()第4872号



とっておきの切り札

 政権の座に就いてから1カ月半が過ぎた麻生太郎首相。この間、まだ明確な「麻生カラー」は出ていない。

 安倍晋三元首相、福田康夫前首相とも政権の座にいたのはわずか1年。そのことで「カラー」を出すことなく終わってしまっている。
 それだけに麻生首相に期待されるものは強い。「決断力がある」との見方が。
 だが、1カ月半が過ぎたいま「地方対策」へ重点を置いているが、まだこれぞ「麻生カラー」といったものは見られない。
 解散、総選挙も「金融危機」を理由に先送り。
 「指導力を発揮できていない。話題になるのは連夜の会合や、朝のウォーキング」
 永田町ではそんな厳しい見方をされている。
 就任したときの支持率は50パーセントには届かなかったものの、それに近い数字だった。
 だが、この1カ月半の間、支持率は下降線を描くばかり。このままでいくと内閣の最初のハードルである四〇パーセントを割り込んでしまうことも。
 「その危険性は強い。解散の時期をすでに失ってしまっており、ますます指導力を発揮するのは難しくなるのでは」(永田町筋)
 当初は「解散カード」をのぞかせることで民主党をくすぐり、補正予算を成立させている。
 しかし「解散カード」ももう通用しなくなっている。民主党は「徹底抗戦」に戦術を転換している。
 与党内でも「麻生包囲網」が。
 永田町ではこんな声まで。
 「このままでいくと立ち往生ということもある」
 自民党内では「もう一度総裁選をやり、新しい党の顔を表に出すべきではないか」とまで。
 麻生首相がいま重点を置いているのは外交。
 「この金融危機のとき、国内のことより国際的な問題が優先する」
 支持率の下落具合を見てみよう。福田前首相と同じようなスピードで支持率はダウンしている。

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「お茶に毛が生えたら」

 民主党鳩山由紀夫幹事長と自民党鳩山邦夫総務相の兄弟げんかがまたまた勃発だ。
 けんかの火を付けたのは麻生太郎首相。連日のようにホテルのバー通いをする麻生首相を弟の鳩山総務相が援護。
 「喫茶店でお茶を飲むのに毛が生えたようなもんではないか」
 これに兄の鳩山幹事長が怒った。
 「お茶に毛が生えたら、どうしてアルコールになるのか」そしてこうだ。
 「弟がそんな考えだと、兄まで同じに思われてしまう」
 弟のほうはホテルのバーを喫茶店と同じに見ている。
 公開された閣僚の資産では鳩山総務相の資産は閣僚の中で飛び抜けて一番の7億6000万円超。これでは「お茶」と同じに見えてしまうのか。
 鳩山兄弟はよくけんかをする。以前には「弟は幹事長のぼくにジェラシーを感じているようだ。弟の嫁のエミリーはうちの妻には絶対にあいさつしない」と兄。これに弟が怒りを爆発。
 かと思うと、テレビの料理番組に兄弟揃って出演したり。
 国会議員になったのは弟のほうが先。田中角栄元首相の秘書をへて79年の選挙で初当選。
 文相、法相などを歴任してきている。
 兄のほうは東大工学部を卒業して米スタンフォード大の大学院で博士号を取得し専修大学助教授に。政界に出たのは86年。弟のほうは民主党に籍をおいたかと思えば自民党に復帰と、変わり身が早い。兄のほうはずっと民主党を通している。
 それにしても「お茶に毛が生えたら」アルコールになるのだろうか。

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「資金集め」

 東京都内のホテルでは国会議員による政治資金集めのパーティーが。
 政局が風雲急を告げており、選挙となれば政治資金は1円でも多く欲しい。そこでパーティーに。
 総務省が発表している政治資金収支報告書によると、政治資金集めを目的とした昨年のパーティー収入は約114億円。自民党の派閥では町村派が最も多く21000万円ほどを1回のパーティーで集めている。
 個人で最もパーティー収入が多かったのは中川秀直元幹事長で約3億円。
 そして、いま注目されるのは森喜朗元首相が12月10日に開くパーティー。場所はグランドプリンスホテル赤坂。
 麻生太郎首相の生みの親でもあり、森元首相は「永田町のドン」としてますますその影響力を強くしている。
 この時期にパーティーを開くということは、政治資金をしっかりと蓄えようというところか。
 「ドンとしての威光をフルに発揮するパーティーになるだろう」(永田町筋)
 9月の自民党総裁選では最大勢力を誇る町村派も大揺れだった。
 中川秀直元幹事長が小池百合子元防衛相を擁立し、麻生首相を推した派閥最高顧問の森元首相と真正面から対立。
 そのシコリはいまでも尾を引いている。
 これが森元首相としてはなんとも悩ましいところ。
 中川元幹事長は森元首相の一番の右腕だった。それがいまではギスギスした関係になってしまっている。
 一二月のパーティーは資金集めと同時に、町村派の結束を訴える場ということになるのは間違いない。

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「ウーマンパワーで」

 「過半数を制し政権奪取」を掲げている民主党。
 「勝つため」のあらゆる作戦が練り上げられている。
 そんな中、立ち上げられているのが「女性キャラバン」だ。
 会長は千葉景子参院議員で、女性参院議員22人によって構成されている。
 民主党の一番の泣き所は女性票が少ないこと。いまひとつ女性有権者にアピールする力が弱く、このことが選挙結果にあらわれている。
 それだけに、いかに女性票を集めるかが「政権奪取」のカギとなっている。
 女性の支持を取り付けようという「女性キャラバン」は、立候補予定者の選挙区での街頭演説、ビラ配りを。
 女性参院議員だけではない。党幹部夫人も立ち上がっている。
 「いまこそ内助の功の発揮しどころ」とばかり。立ち上がったのは菅直人代表代行の伸子夫人、鳩山由紀夫幹事長の幸夫人、羽田孜最高顧問の綏子夫人。
 10月26日「おばあちゃんの原宿」として有名になっている東京巣鴨の地蔵通り商店街に3人が揃って顔を出している。
 商店街を練り歩いたかと思うと、お茶会を開いたり。
 女性の目線での内助の功の発揮だ。
 「民主党に一度、政権をやらせてみて」と声を揃えている。
 前回の選挙では民主党は都市部で惨敗している。女性の票をつかみきれなかったことが結果に表われている。
 それだけに「女性キャラバン」そして婦人部隊の動きが注目されている。どこまで票を掘り返すことができるか。

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「外交でアピール」

 政府専用機で世界を飛び回る。
 麻生太郎首相は「外交の麻生」に意欲満々。専用機は設備が新しくなり「空飛ぶ首相官邸」の機能を充実させている。
 「専用機で外国に出かけるときが一番リラックスしている感じ」(永田町筋)
 歴代首相には「外交好き」が多い。小泉純一郎元首相も、安倍晋三元首相も、そして福田康夫前首相もそうだった。
 「外国で点数を稼ぐ」とばかり、外交に力を入れていたものだ。
 「麻生首相には外国首脳と会談してもものおじしない強さがある。これは若い頃からそういった環境の中にいたことが大きい」
 自民党内でもそう言われている。
 就任早々にまず国連本部で演説。
 10月に入ってからはアジア欧州会議で北京に。
 「国内的な政局よりも国際的な問題を優先させなくては」
 11月15日にはニューヨークの国連で開かれる金融危機に対する緊急サミットに。
 サミットが終わったすぐ後、11月22日、23日にはペルーのリマで開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が。
 「世界の麻生」をアピールする場面が続いている。
 「外交で存在感をアピールする。これによって今後の国内の問題を優位に乗り切っていこうという考えだろう」(永田町筋)
 だが、国会は荒れ模様の様相を呈してきている。野党は「対決姿勢」を打ち出してきており、一寸先は見えなくなっている。
 政府専用機で飛び回る外交で風向きを変えることができるかどうか。

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「金持ち内閣」

 麻生太郎首相がまた「庶民」とは違う感覚を露呈してしまった。
 衆院外交防衛委員会で民主党牧山弘恵議員に「カップめん」の値段を聞かれ「400円では」と。
 それでなくても金銭感覚が批判の的になっている。政権の座に就いてからの1カ月間、連日のように夜の会合を持っていることがそうだ。
 与党内からもこれには苦言が。
 だが、麻生首相はこれまで通りで、生活スタイルを変える気はまったくない。
 「幸いにして自分のお金はありますから」
 お金があることは公開された保有財産で明らか。
 政府が公表した麻生内閣の全閣僚の保有資産で、麻生首相は4億5548万円。
 麻生首相だけではない。麻生内閣の閣僚は資産家揃い。
 鳩山邦夫総務相は麻生首相よりも多くて7億640万円。 舛添要一厚生労働相は3億6149万円。
 麻生内閣の閣僚の資産の平均は1億4128万円になる。
 これはこれまでの内閣に比べてはるかに多い。
 福田内閣の閣僚の平均は1億1000万円あまり。安倍内閣の閣僚の平均は9000万円あまりで、1億円には届いていなかった。ちなみに小泉純一郎元首相の資産は5000万円ほどだった。
 これらを見ても麻生内閣が「セレブ内閣」であることが証明されている。
 麻生内閣の閣僚で最も資産が少ないのは浜田靖一防衛相で1376万円。
 麻生首相と鳩山総務相の2人が全体の平均を引き上げていることはあるが。

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「戦いのあとは」

 9月の自民党総裁選の後遺症はあちこちにまだ残っている。
 戦いすんで日が暮れて、その存在が厳しくなっている中川秀直元幹事長。
 総裁選で中川元幹事長は、所属する町村派の実質的なオーナー、森喜朗元首相に逆らうように小池百合子元防衛相を担いだ。
 結果は惨敗。あの日から1カ月が過ぎたが、中川元幹事長はどうしているか。
 派内での立場は明らかに低下している。
 「今度のことで、中川氏が派閥の実権を握るというのは難しくなったのではないか」(永田町筋)
 それまでの中川元幹事長は「派閥の跡目を狙える」位置にいた。
 森喜朗元首相は誰よりも中川元幹事長を頼りにしていた。
 「まるで血がつながっているようだ」といったことまで言われていたほど。
 それがいまでは2人の間には深い溝ができたまま。永田町ではなんとも厳しい見方までがされている。
 「派閥内だけでなく、自民党内でも立場がなくなっている。このままではきついのではないか」
 当の本人だが、動きは活発。総裁選で孤立したものの、持ち前のガッツはまだまだなえていない。
 「権力に恋々としてはいけない」と麻生太郎首相を痛烈に批判している。
 その一方で片山さつき氏、佐藤ゆかり氏ら小泉チルドレンの応援に力を入れている。
 中川元幹事長の政治資金は潤沢だ。総務省が公表している政治資金収支報告書(中央分)によると、国会議員で一番の3億5000万円あまり。
 資金があるだけに、今後の動向が注目される。

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