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滋賀市民新聞(中央政界特報)

平成20年12月9日()第4875号



支持率下落

 麻生太郎首相が危険水域に足を踏み込んできた。各世論調査での支持率の下落に歯止めがきかない。政権運営でも民主党の反撃により、立ち往生の危機に。

 政権維持で大きなウエイトを占めている支持率。
 小泉純一郎元首相が5年半もの長期政権を維持できたのも、高支持率に支えられてのものだった。
 政権の座を降りた段階でも50パーセント強の支持率を。
 わずか1年で終わった安倍晋三元首相、福田康夫前首相は低支持率が退陣の引き金になっている。
 福田前首相は「支持率は関係ない。支持率で政治をしているわけではない」の強気の姿勢をみせていたが「政権が維持できなくなる」と言われている20パーセントを切ったところで身動きできないことに。
 竹下登元首相の政権末期は7パーセント。森喜朗元首相も1年しか政権を担当できなかったが、最後には5パーセントがやっとというところまで落ちてしまっている。
 「これまでの短命首相で明らかなように支持率の支えなくして政権を維持していくのはまず難しい」(永田町筋)
 政権維持での最初の「危険水域」は40パーセント割れ「第二次危険水域」は30パーセント割れ、そして20パーセントを切ってしまうと「絶体絶命の危険水域」と言われている。
 麻生内閣だが、就任直後の支持率は50パーセント台だった。それが就任わずか2カ月しかたっていないで30パーセントを割り込んでしまう世論調査結果まで。
 不支持率が支持率を逆転。
 麻生首相は世論調査に言及していない。無視の構えでいる。
 だが、無視を通している間に低下に歯止めがかからなくなってしまった。
 総額2兆円の定額給付金も支持率アップにつながっていない。不発に終わってしまっている。迷走したことで逆に支持率低下に拍車をかけることに。
 経済対策が不人気に追い討ちをかけている。
 「支持率を持ち直すのはよほどのミラクルがないことには難しい。麻生首相にはそのミラクルがない」(永田町筋)
 そこへもってきて民主党小沢一郎代表による猛反撃が。
 「首相の地位を守るだけの論理しか持っていない」
 小沢代表は徹底して麻生首相を解散に追い込む構え。
 「麻生首相は身動きできなくなった」
 与党内からの声だ。

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「麻生語は」

 今年も押し詰まってきた。この季節になると「年間の総決算」ともいう、さまざまな賞選びが行われる。
 その中のひとつにその年の世相を反映した流行語を選ぶ「流行語大賞」がある。
 毎年のようにユニークな流行語が。
 自由国民社が行っているもので「08年、流行語大賞」にノミネートされたのは60語。
 国内の政治の分野では「ねじれ国会」「後期高齢者」「霞ヶ関埋蔵金」「ねんきん特別便」「ガソリン税」「暫定税率」「ローゼン麻生」「あなたとは違うんです」「サイバンインコ」が。
 政治家本人の言葉としては福田康夫前首相の「あなたとは違うんです」しか入っていない。
 首相として最後の記者会見で、それも最後の質問に対して発した「あなたとは違うんです」は強烈なインパクトを残している。
 ところで麻生太郎首相だが「麻生語」がない。「ローゼン麻生」がノミネートされているとはいえ、麻生首相の生の言葉ではない。麻生首相が読んでいるという人気漫画。
 小泉純一郎元首相は「改革の本丸」「郵政民営化」などを残しており、政権の座にわずか1年しかいなかった安倍晋三元首相でも「美しい国」を、そして福田前首相は「背水の陣内閣」がノミネートされている。
 政権の座に就いてから2カ月が過ぎた麻生首相。いまだに「これぞ」といった「麻生カラー」が見えていない。これでは流行語大賞にノミネートされる言葉もない。
 自民党内からも「麻生カラーを鮮明にすべき」の声が聞かれているのだが。

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「いっちゃんまんじゅう」

 「剛腕」の言葉であらわされるように「コワモテ」のイメージの強い民主党小沢一郎代表。
 ここにきて人気女性タレントが司会をするインターネット番組に出演するなど「親しみやすい」をアピールしている。
 それでも各世論調査の「首相にふさわしいか」では麻生太郎首相に負けている。
 そんな中、やっと小沢代表をモチーフにした「まんじゅう」が発売された。
 「まんじゅう」といえば歴代首相にはつきものになっている。
 小泉純一郎元首相には「純ちゃんまんじゅう」が、安倍晋三元首相には「晋ちゃんまんじゅう」が、福田康夫前首相にも「やっくんのビンボークジで福がきたまんじゅう」があった。
 そして麻生太郎首相には「太郎ちゃんまんじゅう」が。
 なのに野党党首のまんじゅうはこれまで一度も発売されていない。
 それだけに小沢代表のまんじゅうが出たことは、まさに野党にとっては快挙ということに。
 麻生首相のまんじゅうはカステラと牛乳が好物であるところから「カステラまんじゅう」と「牛乳まんじゅう」の2種類。
 「いっちゃんまんじゅう」は小沢代表の地元が岩手県であることから、枝豆を原料にした「ずんだ」と同じ緑色のあんを白い皮で包んだもの。
 「太郎ちゃんまんじゅう」は12個入り630円。「いっちゃんまんじゅう」も12個入り630円。中身と金額はまったく同じ。はたしてどっちのまんじゅうが多く売れるか。これまでで一番売れたのは「晋ちゃんまんじゅう」だ。

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「麻生首相のおかげ」

 これも麻生太郎首相のおかげか。
 「解散」を先延ばしし、解散はついには年を越してしまいそう。
 しかも「世界的な金融不安」を理由に「春以降」の考えまで。
 「このまま9月の任期切れまでもっていってしまうのではないか」(永田町筋)
 麻生首相が解散の「決断」を下さないことで、新記録を作った河野洋平衆院議長。
 議長としての在任記録で11月15日に、自民党の船田中氏の1780日を抜いて戦後の衆院議長の最長記録を更新し、11月20日には立憲政友会の大岡育造氏の1785日を抜き、帝国議会開設以来の最長記録をも樹立してしまった。
 河野議長が就任したのは小泉政権時代の03年。小泉政権、安倍政権、福田政権、そして麻生政権と4代の政権にまたがっての議長だ。
 河野議長は自民党総裁の椅子に座りながら政権の座に就くことはできなかった。
 総裁で首相になれなかったのは河野議長ひとり。「悲運の政治家といえるのではないか」(永田町筋)
 それでも首相にはなれなかったが、最長記録を樹立した衆院議長として後世に名を残すことに。
 麻生首相が解散を先延ばしにせず、就任直後に解散していればこの記録は生まれなかったかもしれない。
 追い詰められた麻生首相が来年の通常国会の冒頭で「解散」に踏み切ることもあり得るが、河野議長の在任日数はどこまで延びるか。
 体調を理由に次の衆院選には立候補しないことをすでに明らかにしている。

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「行脚再開」

 民主党小沢一郎代表が、全国行脚を再開させている。
 それも突然に立候補予定者の事務所を訪ねている。
 「体を動かして勝つ」が小沢代表の選挙哲学。
 小沢代表の突然の来訪に、事務所のほうはびっくりだ。
 全国行脚を再開させた小沢代表が力を入れているのは都市部。
 480議席を争う衆院選挙。
 「過半数を取って政権を奪取する」には都市部にかかっている。
 民主党の一番の弱味は都市部に弱いこと。それはこれまでの選挙結果で明らか。
 東京、大阪、神奈川の三大都市部で民主党は苦戦を続けている。
 2000年の選挙での獲得議席は東京は13議席、大阪は5議席、神奈川は6議席。03年の選挙では東京は12議席、大阪は9議席、神奈川は8議席。ここまでは苦しみながらもまだ踏ん張っていた。
 それが05年の選挙では東京は1議席、大阪は2議席、神奈川にいたっては0議席。
 小泉純一郎元首相による「チルドレン旋風」が吹き荒れたとはいえ、惨憺たる結果に終わっている。
 民主党が政権を奪取することができるか。その「カギ」を握っているのが小選挙区。
 小沢代表は小選挙区の目標を「150議席以上獲得」に置いている。
 この目標をクリアするためには都市部で勝利しなくてはならない。各世論調査によると、民主党中心の枠組みが自民党よりも高くなっている。それがそのまま票につながるかだ。小沢代表の行脚には熱がこもっている。

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「火の車」

 解散はどんどん先延ばしに。麻生太郎首相は現状ではまったく「解散」の考えはない。
 細田博之幹事長はいまでも「解散は早期にしておけばよかった」ともらしているほど、自民党内には解散先送りを悔やむ声が多い。
 「解散を先延ばしにしても、プラスになることはない。選挙は厳しくなるばかりで、麻生首相の求心力は落ちるばかり」が永田町の見方。
 解散先延ばしで自民党、民主党からは悲鳴が上がっている。
 「臨戦態勢」に入ってからの先延ばしは、そのまま候補者の台所を直撃だ。
 すでに選挙事務所を開いており、毎日のように活動資金が出ていっている。
 「もう、活動しようにも活動資金を使い果たしてしまって動けない」といった声まで。
 幹部議員はともかく、若手、新人、元議員の立候補予定者は日干し状態に。
 自民党の候補者以上に金欠状態になっている民主党の立候補予定者。
 「餓死や凍死はさせない」そう民主党小沢一郎代表は言っているが、どう資金援助金を作り出すか。
 未交付の政党交付金30億円ほどが入ってくるのは12月末。
 自民党、民主党ともに党本部の金庫は厳しい。
 自民党、民主党はテレビのCMを派手に打っている。
 この金額が半端ではない。請求書に凍りつくのでは。
 「まさに体力勝負になっている」(永田町筋)
 断末魔の悲鳴があがるのはどっちか。
 麻生首相に「解散」の二文字はまだない。

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「大連立しか」

 自民党内に「大連立」の声が。
 次期衆院選挙は自民党にとってかつてなく厳しい選挙になるのは避けられない。
 党独自での調査でも「160台がやっと」という絶望的な数字が出ている。
 これが麻生太郎首相に「解散」を躊躇される理由の一つになっている。
 だが、解散を先延ばしにしても展望は開けてきそうにない。それどころか状況はますます厳しいものになってきそう。
 「解散どころか内閣総辞職に追い込まれてしまうのではないか」永田町ではそんな見方までされている。
 480議席を争う衆院選挙。過半数を取れなければ野党に転落。
 05年の選挙は小泉チルドレンが大挙、83人も当選(うち一人は辞職)し、議席を大幅に増やしている。
 だが、麻生首相にはいま議席を増やす「マジック」はない。
 過半数を取れなかったらどうなるか。そこで言われてきているのが「大連立」だ。
 中曽根康弘元首相も「大連立」の見方をしている。
 「大連立の道を選ぶしかないのでは」
 「大連立」は福田康夫前首相が民主党小沢一郎代表に持ちかけたが、頓挫している。
 だが、このことで福田前首相も小沢代表も痛手を負ってしまった。
 民主党にも危機感はある。
 「今度の選挙で敗北すれば党の分裂は避けられないだろう」(永田町筋)
 選挙の結果によっては、永田町は一気に「政界再編」のウネリの中に飲み込まれてしまうということに。

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